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» 2020年10月15日 09時00分 公開

山岳トンネル工事:遠赤外線カメラとAIを用いた接触事故防止システム、作業員を97%以上の精度で検出

戸田建設は、遠赤外線カメラとAIで、建機と作業員の接触事故を防ぐシステムを開発した。新システムは、可視光カメラを使用したシステムとは異なり、温度を感知する遠赤外線カメラとAIを用いて、夜間や薄暗いトンネル坑内で、作業員や建機を検知し、アラートを発信して、作業員や建機を検知し、アラートを発信して、接触事故を防止する。

[BUILT]

 戸田建設は2020年10月1日、建設現場での建機と作業員の接触事故を防ぐシステム「遠赤外線カメラを用いた人物検知システム」を開発したと明かした。

最大40メートル離れた人物の検出と測距が可能

 建設現場ではこれまで、建設機械と作業員の接触事故を防止するため、可視光カメラによる人物検知システムが採用されてきた。しかし、可視光カメラを使用した人物検知システムは、暗所や粉じんがある環境下での検出精度が低く、遠距離にいる人物の検出が難しかった。

遠赤外線カメラの建設機械への設置状況(左)やトンネル坑内での可視化カメラ(右上)と遠赤外線カメラ(右下)の画像 出典:戸田建設

 従来の課題を解消したのが遠赤外線カメラを用いた人物検知システム。新システムは、建機に設置した遠赤外線カメラとAIで、坑内の作業員や重機をセンシングし、スタッフを97%以上の精度で検出する。また、遠赤外線カメラと作業員までの距離を、測定距離に対して1%程度の誤差で推定し、40メートル離れた人物の検出と測距にも応じている。

 AIによる画像解析で、カメラの至近距離にいて全身が捉えられない作業員も感知する。また、遠赤外線カメラは、人や物の温度を検知するため、夜間や薄暗いトンネル坑内など光源が無い状況でも適用でき、可視光カメラと比較して粉じんや濃霧の影響を受けにくい。

警報エリアの設定イメージ 出典:戸田建設
トンネル現場での新システムの検証状況(左)と新システムを搭載した建機の運転席の状況 出典:戸田建設

 システム上では、遠赤外線カメラとスタッフの距離に合わせて、警報エリアを任意に設定できる。警報エリアに、作業員が侵入すると、エリアの各ゾーンで設定した光と音で危険をスタッフと建機のオペレーターに知らせる。オペレーターは、建機の運転席に設置したモニターでも、作業者の接近を確かめられる。

 戸田建設は、既にトンネル工事の現場で新システムの動作検証を行い、有効性を確認している。

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