国土交通省が発表した資料「2020年度 建設投資の見通し」によれば、国内の建設投資は、1992年度の84兆円をピークに減少基調となり、2010年度には1992年度の半分程度にまで減少したが、その後、東日本大震災からの復興などにより回復傾向に転じている。2020年度は、2019年度の補正予算などに関連する政府建設投資が見込まれることから、63兆1600億円になる見通しだ。
国土交通省は2020年10月14日、政府の経済見通しや内閣府年央試算、建築着工統計、建設総合統計などにより推計し、作成した資料「2020年度 建設投資の見通し」を発表した。
同資料では、2020年度の建設投資は、前年度比3.4%減の63兆1600億円になると見込んでおり、国内総生産に占める建設投資の比率は9.7%になると予想している。建設投資の構成は、民間投資が59%で、政府投資が41%。民間投資のうち住宅や非住宅、建築補修(改装・改修)投資を合わせた建築投資が全体の51%を占める。政府投資は、土木投資が全体の30%で、建築投資と土木投資で建設投資全体の81%に達している。
政府建設投資の総額は、前年度比3.1%増の25兆6200億円になる見通しだ。民間住宅投資は前年度比8.1%減の15兆200億円で、政府住宅投資を合わせた住宅投資全体では、前年度比7.7%減の15兆6900億円になると予測。
民間建築補修(改装・改修)投資は、前年度比5.9%減の6兆2700億円に上る。さらに、政府建築補修(改装・改修)投資を合わせた建築補修(改装・改修)投資全体では、前年度比4.3%減の7兆7000億円になると予測。建築補修(改装・改修)投資は、建築投資全体の20%になると見積もる。
民間非住宅の建築投資は、前年度比9.5%減の10兆5800億円で、民間土木投資は、前年度比2.6%減の5兆6700億円になる見通しだ。民間非住宅建設(非住宅建築と土木)投資は、前年度比7.2%減の16兆2500億円になると予測している。
また、建築と土木別では、建設投資のうち、建築投資が60%で、土木投資が40%になると予想している。建築と土木との構成比については、1998年度以降、建築投資が増加する一方で政府土木投資が減少し、建築投資の占める比率が2006年度には60%となった。その後、一時的に土木投資が増加したが、近年は建築投資の占める比率が高まる傾向にあり、建築投資が60%台で、土木投資が30%から40%までで推移している。
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