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» 2020年09月18日 06時00分 公開

ロックボルトを2本継ぎ足し6mで打設可能な新装置、大成建設製品動向

大成建設らは、3メートルロックボルト2本を機械的に継ぎ足して、6メートルロックボルトとして打設する装置を開発した。新装置は、遠隔打設装置「ロックボルタ」に装着して、地山の状態が悪い現場で、ベンチカット工法により断面を小さく分割して掘削を行っても、切羽断面内に収まるため、これまでと比較して施工時の省人化や安全性向上を実現する。

[BUILT]

 大成建設は、古河ロックドリルとともに、地山状態が悪い現場の山岳トンネル工事で、3メートルロックボルト2本を機械的に継ぎ足して、6メートルロックボルトとして打設する装置を開発した。

新装置採用で40%の省人化を実現

 山岳トンネル工事では、掘削後に地山の崩落や変形を防ぎ、安定した状態で作業するため、ロックボルトを地山に打設して施工する。地山の状態に応じてロックボルトの適用長さは異なるが、一般的には3メートルもしくは4メートルの規格を使用している。地山状態が悪い場合には適用長さを伸ばし、最大で6メートルの規格を採用するケースがある。

 しかし、ロックボルトの施工に際し、地山状態が悪い現場で、従来の6メートルロックボルト専用打設装置を遠隔打設装置「ロックボルタ」に装着して、ベンチカット工法で断面を小さく分割して掘削を行う際に、切羽断面内に収まらないという問題が存在した。結果、切羽近傍で人力によるロックボルト打設作業が必要となることから、施工時の省人化や安全性向上に課題があった。

 そこで、両社は、3メートルロックボルト2本を機械的に継ぎ足し、6メートルロックボルトを機械的に打設する装置を開発した。

 新装置は、全長が従来の6メートルロックボルト専用装置より約1.5メートル短いため、ベンチカット工法などの切羽断面を小さく分割した場合でも、坑内で機械施工が可能。6メートルロックボルトだけでなく、3メートルや4メートルのロックボルトにも使える。

新装置のベンチカット工法での適用状況 出典:大成建設
ロックボルト打設装置(左)と穿孔用ロッド機械継ぎ仕様の穿孔ブーム(右) 出典:大成建設

 さらに、ロックボルト打設では、穿孔(せんこう)用ロッド機械継ぎ仕様の穿孔ブームにより切羽をボーリング後に、モルタル充填やロックボルト接合、挿入が行える。穿孔やモルタル充填、ロックボルト挿入といった一連の作業を完全機械化することで、作業員が切羽近傍に立ち入ることなく安全に作業を進められる。

 新装置を採用することで、従来、オペレーター2人、モルタル操作者1人、打設作業員2人の合計5人で行っていた作業が、オペレーター2人、モルタル操作者1人の計3人で施工可能となり、40%の省人化を実現する。

 大成建設は、国土交通省の九州地方整備局が発注した熊本57号滝室坂トンネル東新設工事の現場に、新装置を搭載した打設専用機を導入し、操作性や品質を試験施工で確認後、本体工でのロックボルト打設性を検証した。

 結果、これまでの6メートルロックボルト打設装置が収まらないような小断面での分割掘削でも、新装置が使えることが判明し、切羽近傍でのロックボルト打設作業の完全機械化が可能となり、省人化と安全性向上を図れることが分かった。

滝室坂トンネルでの新装置による施工状況 出典:大成建設

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