建物の2〜6階には、床面積6400平方メートルのリラックス空間「スキップテラス」を配置しており、スキップテラス内では、さまざまな植物を設置している他、8エリアで構成される「竹芝新八景」を展開している。
8エリアは「【空の景】ハヤブサプロジェクト」「【蜂の景】ミツバチプロジェクト」「【水田の景】屋上水田」「【香の景】ハーブガーデン」「【菜園の景】屋上菜園」「【水の景】アクアテラリウム」「【島の景】壁面菜園」「【雨の景】レインガーデン」から成り、それぞのエリアでは野菜の育成や生物の観察などを行っている。
東急不動産の根津氏は、「竹芝新八景は、東京都港区内の小学校に在籍する小学生に対し、環境教育の場として提供していく」と活用方法を示した。
建物の6階には、オフィスフロアへのエントランス「オフィスロビー」を設けている。オフィスロビーには、植物と噴水エリアを配置し、開放的で上質な空間に仕上げている。さらに、設置したセキュリティゲートには、日本コンピュータービジョン製AI温度検知・顔認証システム「Sense Thunder-E」を導入し、三菱電機製エレベーター行先予報システム「エレ・ナビ」と連携させている。Sense Thunder-Eとエレ・ナビを組み合わせて使用することで、オフィスフロアで働くスタッフが、非接触で入館やフロア移動が行えるとともに、効率的なエレベーター運行を実現している。
建物の8階には、東急不動産が運営するシェアオフィス「Business-Airport Takeshiba」や撮影スタジオなどに使える「ポートスタジオ」を設置している。9〜39階にはオフィスフロアがあり、ソフトバンクグループやソフトバンクが本社オフィスとして使用。
ソフトバンクの宮内氏は、来賓あいさつで、「今回のオフィスは、固定席がなく、さまざまなワークスペースで社員が働けるようにしている」と話す。
オフィスタワーでは、建物内に取り付けたさまざまなセンサーやカメラで取得したデータを確認できるアプリやシステムを入居企業の社員とビル管理会社のスタッフに提供している。
オフィスフロアで勤務する従業員が使えるアプリは「ワーカーアプリ」で、ワーカーアプリは、スキップテラスの環境情報や空き状況、エレベーターホールとビル内施設の混雑状況、屋内の気温と湿度が確かめられる。
入居する飲食店が利用可能なシステムは、「店舗向けマーケティングツール」で、店舗向けマーケティングツールは、建物内のAIカメラやWi-Fiのデータを活用して、施設利用者の傾向を分析し、各店舗テナントへレポートとして提出する。レポートは、日別や曜日別、男女別の利用者傾向や各店舗の来店者を解析した情報を記載しているため、売上予測や在庫管理の最適化に役立つ。
ビル管理会社の従業員は、「BM(ビルマネジメント)アプリ」やビル管理者向けシステム「Data-V」を使用できる。BMアプリは、施設内のヒートマップや警備員の位置情報、要注意者のデータ、立ち入り禁止区の現状といったデータを警備員用グループアプリに随時配信し、館内で発生したトラブルへの素早い対応を支援。さらに、館内の人流を高度に可視化するため、施設管理業務もサポートする。
Data-Vは、マネジメントオフィス内で、プロパティマネジメントを担当するスタッフがビル内のリアルタイムな人流データを見られるシステム。エレベーターホールや各店舗の混雑度、各フロア内の人数、開催予定のイベント一覧、来場者数の推移など、多様なデータを閲覧できるため、警備員の数や配置を計画するのに役立つ。
建物内のセンサーやカメラで取得した環境情報は、建物内に設置された30台の「データ連動型デジタルサイネージ」でも活用。データ連動型デジタルサイネージは、施設内にある飲食店の空席情報やトイレなどの混雑状況を配信する。加えて、外部の交通情報や天気予報などと連動して、時間帯や空席率に応じて、割引や限定クーポンをデジタルサイネージ上に映すことで、集客向上を図っている。
オフィスタワーの建物内では、清掃と警備業務の一部をソフトバンクロボティクス製清掃ロボット「Whiz」やSEQSENSE製自立移動型警備ロボット「SQ-2」が代替している。Whizは人と役割を分担し、清掃作業を実施している。SQ-2は、三菱電機製「ロボット・エレベーター連携システム」と連動させ、エレベーターを用いて複数の階層で巡回や立哨(りっしょう)、動哨(どうしょう)などの業務を行っている。
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