エコキュートの新バージョンは災害対応を強化、スマホで遠隔操作が可能にパナソニックが考える「2020以降の街づくり」(2/2 ページ)

» 2020年08月07日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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HEMS不要で天気予報と連携し太陽光発電システムの電力を活用

 新バージョンは、2019年に施行された電力の固定価格買い取り制度(FIT)が期限終了し、自宅で発電した電気の自家消費ニーズが高まっていることを受け、太陽光発電システムでの沸き上げ機能を強化している。

 スマホでおふろに、ウェザーニュースが発信する翌日の天気予報と連携し、晴天の場合、昼間に太陽光発電システムで得た電力を生かして、エコキュートで沸き上げを行える機能「おひさまソーラーチャージ」を備えている。

「おひさまソーラーチャージ」機能の概要
「おひさまソーラーチャージ」の画面

 渡部氏は、「おひさまソーラーチャージと組み合わせて使える機能としては、2017年以降に発売したエコキュートから実装しているソーラーチャージ機能がある。ソーラーチャージ機能は、天気予報で翌日が晴れだと判明している時に、利用者が専用のリモコンで、夜間の沸き上げ量を減らして、次の日に太陽光発電システムで取得した電力の余剰分で湯を沸かすように設定できる」と語った。

 加えて、「当社が販売しているHEMS“AISEG2”では、翌日の天気予報を自動で確認し、太陽光発電システムの蓄電池と連動して、エコキュートの沸き上げ量を調整する“AIソーラーチャージ機能”を有していた。今回公表したおひさまソーラーチャージは、AISEG2を所有していないユーザーでも、自動で天気予報とリンクした運転が行える」と補足した。

 新バージョンに取り付けられた貯湯ユニットは、コンパクト性は以前と同様に、「ダブル真空断熱材」の形状改善やヒートポンプユニットに配置された圧縮機の改良と中温水沸き上げ制御の最適化で、「年間給湯保温効率(JIS)4.0」を実現した。この他、機種は限定されるが、従来機能「エコナビ」「リズムeシャワープラス」「ぬくもりチャージ」も継承している。

新バージョンが実現した「年間給湯保温効率(JIS)4.0」や継承した従来機能の概要

 新バージョンの全46機種は、プレミアムクラスのJPシリーズやミドルクラスのJシリーズ、Nシリーズ、Cシリーズ、スタンダードクラスのNSシリーズで区分している。プレミアムクラスは最高級タイプで機能数が全体のうち最も多く、ミドルクラスは省エネ性と機能性をバランス良く整えたタイプで、スタンダードクラスは一般家庭が購入しやすい標準タイプ。

 価格は、各シリーズのうち1番高い機種で、JPシリーズは「HE-JPU46KQS」で101万4000円、Jシリーズは「HE-JU46KQS」で91万5000円、Nシリーズは「HE-NU46KQS」で99万2000円、Cシリーズは69万2000円、NSシリーズはオープンプライス。無線LAN搭載コミュニケーションリモコンは5万1000円(いずれも税別)。売上目標は月間1万2000台を掲げている。

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