古河電気工業は、ゼンリンデータコムと共同で、車で道路を走るだけで、標識などの道路付属物の定期点検が行える「みちてんスナップ」を開発した。
古河電気工業は、建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」(2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「第12回インフラ検査・維持管理展」での出展概要を公表した。
目玉となる展示品は、ゼンリンデータコムと共同開発し、2020年6月25日にリリースした独自のAIを用いた道路付属物の点検表作成サービス「みちてんスナップ」。市販のドライブレコーダーを巡回車に搭載して、調査対象の道路を走行。撮影した動画はAIで解析し、道路標識やカーブミラー、照明灯などの付属物を抽出して、国土交通省の点検要領に基づいた定期点検の記録様式である「点検表」を自動作成するまでが一連の流れ。点検表は、ゼンリンの詳細な地図データを活用し、小規模な道路付属物の正確な位置を把握することで、より効率的な作業が可能になる。
これまで人海戦術で対応していた道路付属物の点検や維持管理が、時間や人手を掛けずに低コストで簡便に行えるようになる。先行して導入した栃木県日光市では、市道1450キロを巡回車で走り、道路標識938基の点検表を作成し、従来方法と比べると、作業時間が9割削減されたという。
総力特集:
メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。
コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。
会場では、国道を対象にした道路付属物の点検などで既に導入されている「みちてんアシスト」も展示する。
みちてんアシストは、点検員がAndroid 6.0以降のタブレットを現場でかざすと、複数設置されている標識などから点検すべき対象物を位置情報から特定。画面上では、過去の点検データと比較することが可能で、過去データが登録されていない場合は、新規物件としてGNSS受信機を介して位置情報を登録して地図上にマッピング。
撮影した画像が点検部位ごとに自動で候補として表示されるため、これまで時間がかかっていた事務所に戻ってからの必要な写真探しに時間を取られることなく、点検表はワンクリックでExcel形式で出力。現場作業と事務所での内業の両面が効率化され、30%以上も作業効率のアップが見込める。
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