ヒューマンタッチ総研は、建設業主要各社の2020年3月期第1四半期決算のまとめをリリースした。プラント・エンジニアリング業を除く5業種が増収増益で、全体としてはおおむね好調な結果だった一方で、住宅建設業は6社が減益になるなど厳しい決算となった。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2019年8月29日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅建設業の6業種に分けて、2020年3月期第1四半期決算から見る市場動向をリリースした。対象企業は、各業種の主要企業10社で計60社。
2020年3月期の第1四半期決算(連結)の各業種主要10社の実績を合計すると、プラント・エンジニアリング業以外の5業種は増収増益となり、全体として比較的好調な決算となった(図表1)。また、純利益については、6業種ともに増加で、堅調な市場環境を背景に全ての業種で利益が拡大している。しかし、減益や赤字決算など厳しい決算の企業もあり、今後も動向を注視する必要があるとしている。
ゼネコンは、堅調な民間設備投資および公共投資を背景に、10社中7社が増収増益となり、全体として好調な決算だった(図表2)。
大手ゼネコン4社では、大林組、清水建設、大成建設が増収増益で、豊富な手持ち工事を順調に消化して利益を確保している。鹿島建設は増収ながら大幅な減益となっているが、今後の手持ち工事の進捗によって改善される見込みで、ゼネコン業界全体としては、売上・利益ともに良好な決算といえる。
そのような中、長谷工コーポレーションのみが、マンション工事の施工量減少と完成工事総利益率の低下によって減収減益だった。
土木工事業は、道路舗装大手のNIPPO、前田道路、日本道路の3社が増収増益となるなど、10社中5社が増収増益となり、好調な決算。利益面を見ると8社が増益で、前年同四半期は赤字であったピーエス三菱と東亜道路工業が黒字に転換するなど、収益面での改善が進んでいる。前田道路、日本道路、世紀東急工業が、特別利益を計上した影響もあり、10社合計の純利益は前年同期比で258.7%と、大幅に増加している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.