三菱電機ビルテクノサービスは、フルハーネス義務化に先立ち、ビルメンテナンスの現場での熱中症対策として、フルハーネスに対応したミズノ製の高通気性シャツとその上に着るファン付ウェアを協力会社も含めた8000人の社員に配布する。
三菱電機ビルテクノサービスは、2022年1月2日に施行する高所作業での「フルハーネス型墜落制止用器具」の使用に関する法令などの改正に対応するべく、ミズノが開発したフル ハーネス対応のワークウェア「ファン付ウェア」と「高通気性シャツ」を2020年7月から全社導入することを決めた。
今回、導入するワークウェアは、ミズノ製のファン付きウェア「エアリージャケット」と、「夏用高通気性シャツ」。エレベーターの昇降路や空調設備のある屋上で保守・工事を行う、協力会社も含めたエンジニアの酷暑対策として採用した。
配布枚数は、エアリージャケットの非高所作業者向け長袖タイプが4000着、高所用ベストタイプが8000着、夏用高通気性シャツが1人2着で計1万6000着。
導入理由として、三菱電機ビルテクノサービスのエンジニアは、1日に複数の現場を移動することが多いため、作業着には着脱性を重点に置いた通気性や耐久性が求められていたことがある。
フルハーネス対応のファン付き作業服は、他メーカーでも販売されているが、エンジニアは1日に複数の現場を掛け持ちすることが多く、ファン付き作業服をその場で着替えると、マンションや公共施設などで肌着姿が露わになってしまうため、着脱のしやすさが必須要件だった。
また、2022年1月2日から、6.75メートル以上の高さ、建設業では5メートルの高所で作業する場合は、フルハーネスの着用が法的に義務付けられることも理由の一つ。一般的に普及しているファン付き作業服では、その上からフルハーネスを着用した際は、両肩や胸などをベルトで固定するため、服内の空気が循環せず、涼しさを感じられないという声も挙がっていた。
課題解決のためミズノは、特殊素材を用いた専用の作業服を着た後、「フルハーネス」を装着し、その上にエアリージャケットベストタイプを着用することで、肌着姿にならずに済む方法を提案。実際に社内での試着会や社員アンケートで、好評だったことから導入が決定した。
ミズノのエアリージャケット(長袖・ベストタイプ)は、独自のパターン設計で空気の流れをコントロールして、首筋や腕まで衣服内の空気を循環できる仕組み。ミズノが創業以来100年以上にわたって培ってきた人間工学や3DCGのシミュレーションに基づき、関節の動きを妨げずに、動きやすい「ダイナモーションフィット」という機能を備えている。
夏の作業時に気になる汗のニオイに対しては、100回洗濯しても消臭機能が持続する「ミズノデオドラント」を首元や脇の部分に付与して臭いを軽減。ベストタイプは、フルハーネス型落下防止用器具を装着した状態でも長袖と同様に、「涼しさ」「動きやすさ」はそのままに、「脱着し易さ」も考慮して製品設計をしている。
夏用高通気性シャツは、エアリージャケットの効果を最大限に発揮させるため、JIS規格「JIS T8118 静電気帯電防止作業服」に適合したミズノの夏用素材「エステルドビーライト」を使用。エアリージャケットと同様に、ダイナモーションフィットとミズノデオドラントの機能も搭載し、作業時の快適性を追求した酷暑の現場に適したウェアとなっている。
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