大気社は、新型コロナウイルスの感染を防ぐ災害時の緊急避難シェルター「バリアーキューブ」を開発した。密になりやすい災害避難所で、プライベート性を確保しながら、ウイルス感染のリスク低減が可能になる。
大気社は2020年7月1日、災害時の緊急避難所用に、新型コロナウイルスの感染リスクを低減できるシェルター「バリアーキューブ」を発表した。
昨今のコロナ禍により、人が多く3密が発生しやすい避難所では、プライベート空間を確保しつつ、新型コロナウイルスの感染を防ぐことが重要な課題となっている。これまでの避難所用シェルターは、カーテンやダンボールで間仕切りを設けるタイプが一般的だったが、大気社ではよりプライベート性の高い完全個室タイプを採用。同時にこれまで培ってきた空調技術を採り入れ、内部空気の高い清浄度を維持することで、新型コロナウイルスの感染を防ぐシェルターを実用化した。
バリアーキューブは、シェルター内の高い空気清浄度を維持する仕組みとして、給気ファン付HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を備えている。 また、完全個室型のため、室圧をプラス圧に保つことで、フィルターを設けた給気口以外から外気が侵入するのを防ぎ、ウイルス感染リスクの低減性能を有している。排気口にも、外部の清浄度を保つためのフィルターを設けており、個々のシェルターにおける空気のろ過を通じて、建屋空間全体の空気を洗浄する効果が得られる。
シェルターは、プラスチック段ボール製の組み立て式で、2人で組み立てるときに要する時間は1シェルターあたり約3分と、スピーディーに避難所を設営できる。
プラスチック段ボールは、高い耐久性、耐薬性、耐水性があり、「何度も繰り返し使える」「除菌処理(表面に除菌スプレーをかけるなど)が可能」といった利点もある。さらに、採光性も高いため、利用者が閉塞感を感じにくい。
室内には、折り畳み式で簡単に収納できるベッドを設置。ベッド下は、収納スペースとなっており、AC110VコンセントとUSBポートがついたポータブルバッテリーが配置されているため、夏は扇風機、冬は電気ヒーターの使用の他、スマートフォンなどの充電も想定している。
バリアーキューブのサイズは、1700(幅)×1910(高さ)×2100(奥行き)ミリで、収容人数は大人1人での利用を標準とし、ベッドサイズの変更により大人2人と小さい子供1人までが入れる。
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