竹中工務店が既存外壁の意匠を保存する新工法を開発、大丸心斎橋店に適用新工法(2/2 ページ)

» 2020年06月29日 09時00分 公開
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保存対象となる内外装材を3Dスキャナーなどで調査

 2016年1月〜12月の解体工事では、最初に保存対象となる内外装材を3Dスキャナーなどで詳細に調べ、外壁の一部を採取し、取得したデータと外壁の一部は、原材料の産地や製造記録、実測図などとともに、調査記録シートにまとめて記録して、写真とナンバリングなどで管理を徹底した。

採取・保存された内装材 出典:竹中工務店

 解体時に取得した1254のパーツのうち、849パーツには洗浄や表面と下地の補修などを施し、1階のメインフロアを中心に、天井やエレベーターホール、階段などに再利用した。旧本館で使われていた部材を復元して、再使用することで、内装のデザインを引き継いだ。さらに、新本館に設置した鏡面天井に復元した部分が映し込むなど、新旧デザインの相乗効果を図っている。

石張りアーチ天井と仕上げ材を復元・再利用したエレベーターホール 出典:竹中工務店
アールデコ装飾の天井と、創建当時の写真に残るシャンデリアを復元・再利用した1階店舗 出典:竹中工務店

 大丸心斎橋店の新本館は、地下がS/RC/SRC造(柱CFT造)、地上がS造(柱CFT造)地下3階/地上11階/塔屋1階建てで、延べ床面積が6万6367.87平方メートル。所在地は大阪市中央区心斎橋筋1丁目7−1で、建築面積が5631.51平方メートル。基本設計・監修は日建設計が担当し、実施設計・監理・施工を竹中工務店が担った。工期は2017年1月〜2019年8月。建物の用途は百貨店。

新本館の御堂筋側ファサード 出典:竹中工務店
新本館の孔雀レリーフを再利用した心斎橋筋側エントランス 出典:竹中工務店
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