東京電力パワーグリッド(PG)、NTTデータ、日立製作所はこのほど、新組合を発足し、電力施設の上空を活用したドローン航路の構築やドローンの目視外飛行で巡視と点検を行えるシステムの開発を進めている。
東京電力パワーグリッド(PG)やNTTデータ、日立製作所は2020年3月、ドローンによる設備点検の高度化や新たな事業の創出を目的に「グリッドスカイウェイ有限責任事業組合」を設立した。
少子高齢化に伴う労働力不足や激甚化する自然災害といった社会課題に対し、ドローンの活用拡大がさまざまな業界から期待されている。政府が示す「空の産業革命に向けたロードマップ」の2019年版では、2022年度に有人地帯で、ドローンの目視外飛行を実現することを見込んでいる。
国内でドローンの使用環境を整備する取り組みが活発化していることを受けて、東京電力PGやNTTデータ、日立製作所の3社は、ドローンの航路として有力視されている鉄塔の上空を活用した全国共通の「航路プラットフォーム」を作り、多くの事業者に有人地帯でドローンの目視外飛行(レベル4)を提供することを目指している。
今回発足した組合では、ドローンの目視外飛行を支援する航路プラットフォームの構築に向けて、電力会社をはじめとしたインフラ会社や今後ドローンの利用が期待される多様な事業者とともに、実現場を使って実証試験を行い、航路プラットフォームの有用性を検証する。
また、電力会社を中心に、設備点検の高度化とレジリエンスの強化を狙い、ドローンの目視外飛行で巡視と点検を図れるシステムの構築と実証試験を行い、早期の実用化を目標に掲げている。
航路プラットフォームの確立とシステムの構築を成し遂げるため、東京電力PGの高経年設備を支える保全技術やNTTデータと日立製作所が有しているドローンの運航管理に関するテクノロジーを結集させている。具体的には、東京電力PGが電力設備を活用した実証環境を作り上げ、NTTデータと日立製作所がドローンの運航管理システムで必要なテスト環境の作成を担う。
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