Revitユーザー会「RUG総会」、新体制で共有パラメーターを標準化し横の連携をBIM(1/3 ページ)

Revitユーザー会のRUG 2020年度総会がオンラインで開催され、吉原和正氏が会長に就任し、新体制が発表された。2020年度の方針では、意構設でのBIMデータ連携の具現化を進め、その先には施工への展開も視野に入れるとした。

» 2020年05月27日 05時09分 公開
[石原忍BUILT]

 オートデスクは、「RUG(Revit User Group)年次総会 2020」を2020年5月15日にオンラインで開催した。RUGは、Autodesk Revitのユーザー会で、意匠、構造、設備、分野統合の各ワーキンググループに分けて、BIMの実務レベルでの活用を目指し、個別のタスクフォース(TF)で課題解決に取り組んでいる。

 2020年度の総会は、新型コロナ感染症拡大の影響で、当初予定していた3月から延期してオンラインでの開催となり、新体制の発表に伴う今後の活動指針などが示された。

吉原新会長のもと、共有パラメーターの標準化を目指す新体制

 まず今回、会長職を辞する飯島憲一氏(大阪電気通信大学 工学部 建築学科 教授)は、RUGのこれまでの歴史を振り返った。RUGは2007年に伊藤久晴氏(大和ハウス工業)が初代会長に就いて以来、第1・2期はユーザーの裾野を広げる活動に重点を置いてきた。飯島氏が2016年に第3代会長となってからは、ミッシングリンクや当時としては画期的だったBIMワークフローをテーマに論じてきた。結果として、国土交通省の「建築BIM推進会議」などへとつながったと、成果を説明した。

RUGの歩み

 また、新会長に就任した吉原和正氏(日本設計)は、「RUGの基本的な活動は、4つのワーキンググループ内で、それぞれのTFを設定して取り組んでいる。RUGという場は、ユーザーによる、ユーザーのための、Revitのネイティブデータを使ったBIM活用方法の具体例を議論する場。各社のBIM活用方法から、ベストプラクティスを選別したり、各TFでサンプルモデルを活用したりして、BIM360上で具体に検討し深度化することにより、具現化を図っていく」と所信を表明した。

RUGの新体制を説明する吉原新会長(右上)
RUGの新体制

 新体制での活動方針は、「これまで分野ごとのTFが設けられていたが、これからは設備と構造、ファブリケーションTFで施工との連携など、ヨコのつながりを重視する」と提言。

 テーマ設定としては、「前年度からのRevit上でデータが連携できない“ミッシングリンク”(データ流通の血栓)解消を継続しつつ、各種BIM委員会の方針にのっとり、先陣を切ってRevitで具現化する活動を進める。これをRUGのミッションと位置付け、1.Revitによる意構設データ連携の具現化、2.Revitでのファブ・メーカー連携推進による施工への展開、3.Revitサンプルモデル活用による具体例の提示、4.共有パラメーターの標準化、5.次世代へのバトンタッチ――の5つを目標とする」とした。

RUGの標準化の取り組み
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