独自開発するBIMの機能強化を狙い、長谷工が丸紅アークログと業務提携 : 産業動向
長谷工コーポレーションは、分譲マンションの開発に特化した体制と設計・施工比率の高さを生かすため、独自設計のBIMを開発している。このほど、機能強化の一環で、丸紅アークログとの業務提携に踏み切った。
長谷工コーポレーションはこのほど、BIMオブジェクトの総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」を運営する丸紅アークログと、BIMオブジェクト拡充とプラットフォームの活用に関する業務提携契約を締結した。
今回の業務提携には、長谷工コーポレーションが、分譲マンションの開発に特化した体制と設計・施工比率の高さを生かすため、開発を進める独自のBIM「長谷工版BIM」が関係している。
長谷工版BIMは、設計者や施工者だけでなく、建材や什器(じゅうき)のメーカーなどでも利用されるため、さまざまなBIMオブジェクトを集約し、管理するプラットフォームを構築する必要があった。条件を満たすため、BIMオブジェクトのプラットフォームであるArch-LOGの使用を含んだ業務提携に踏み切った。
Arch-LOGには、一般的な建築部材や建材メーカーが作る部材のオブジェクト、各素材のカタログデータだけでなく、衛生陶器や厨房機器、医療機器などのデータが格納されている。Arch-LOGを使うことで、多種多様なオブジェクトの検索やBIMに取り込む手間、素材選択からのサンプル依頼、色彩などを確かめるために要するマテリアルボードの作成で省力化を図れる。また、高精細なレンダリング機能を用いて、関係者間の意思決定を迅速化することも容易だ。
今後、同社では、設計部門全体でArch-LOGの利用を促進し、BIMオブジェクトの拡充を推進するとともに、デジタルトランスフォーメーションを加速させる取り組みの一環としてBIMを使用していく。
Arch-LOGのオブジェクト検索画面 出典:長谷工コーポレーション
BIMと連動したレンダリングのイメージ 出典:長谷工コーポレーション
Arch-LOGのマテリアルボードの作成イメージ 出典:長谷工コーポレーション
長谷工が障壁を乗り越え、マンションの“ライフサイクル全般”でBIMを活用できたワケ
「Autodesk University Japan 2019」の中から、建築業向けのセッションとしてセッティングされた長谷工コーポレーションの講演を振り返る。長谷工ではマンションのライフサイクル全般でBIMモデルを活用し、一気通貫での生産性向上を実現している。しかし、BIMを導入した当初は、膨大な手間が掛かっていたというが、これを解消すべく、Revitとオペレータをつなぐアドオンツール「H-CueB」を独自開発した。長谷工版BIMの要ともいうべき、H-CueBを徹底解剖する。
長谷工、ICTやシステムを本格導入「ICTマンション」第1号物件に着手
長谷工コーポレーションは、付加価値の高いマンションづくりを目指し、先進的なICTやシステムを本格導入する「ICTマンション」の第1号物件に着手した。板橋区に建設予定の学生向け賃貸マンションに導入予定。
大林組が「Arch-LOG」積極活用、BIMオブジェクト拡充へ
大林組と丸紅アークログは、BIMオブジェクト総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」の活用およびBIMオブジェクト拡充のためのアライアンス(業務提携)を締結した。BIMオブジェクトを管理する強固なプラットフォームを構築することで、BIM活用領域の拡大に備えたい構えだ。
三菱地所設計が考案した「ExcelでできるBIM」、MRで気流解析の可視化も
三菱地所設計は、Autodesk Revitと、Microsoft Excelを連携させた独自のツールを開発する。汎用性の高いExcelとBIMモデルをリンクさせることで、面積や風量(CFD)などの表出力やモデル上での設備パーツの配置がより容易になり、設計業務の効率化がもたらされる。
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