国土交通省は、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的に、テレビ会議システムで重要事項説明を行える新制度を発足した。
国土交通省は2020年5月1日、新型コロナウイルス感染症の拡大で、対面による説明が困難な実情を考慮し、暫定的に、テレビ会議システムを活用して重要事項説明を行う「IT重説」を建築士法に基づく重要事項説明として扱うことを公表した。
通常、建築士法に基づく重要事項説明は、設計受託契約などの前に建築士から建築主へ、重要事項を記載した書面を交付して行われる。
一方、建築士法に基づくIT重説のワークフローはまず、建築士が、重要事項説明の方法について、建築主の意向を書面やメールなどの記録が残る方法で聞き取り、IT重説で行うことの同意を得る。建築士は、同時に、建築主側に十分なIT環境があることをチェックするとともに、IT重説を行う日時を確かめる。
建築士は、建築主に、事前に重要事項説明書の書面を郵送で送付。その後、IT重説の実施日に、建築士は、建築主が説明を受けられる状態にあることやIT環境の準備ができていることを確認した後、建築士は適切なIT環境の下、建築主とテレビ会議を開始する。
なお、テレビ会議などのITを使用することを前提としているが、建築主が必要な環境を整備することが難しいケースややむを得ない事情がある場合には、重要事項説明を事前に録画したメディアを建築主に送付し、質疑は電話などで対応しても、建築士法に基づく重要事項説明として扱う。
今後の取り扱いについては、将来的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況などを踏まえ、改めて通知する。また、中長期的なIT重説の在り方については、今後社会実験の実施と結果の検証を進めることが決定しており、実験の内容についても改めて検討する見通しだ。
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