国交省がi-Constructionを進める技術開発の公募を開始、新型コロナ対策技術を優先的に採択プロジェクト(2/2 ページ)

» 2020年05月07日 07時00分 公開
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けい酸塩系表面含浸材の開発でコンクリートを延命化

 一方、新材料を活用した建設現場の生産性向上に関する技術では、コンクリート構造物の予防保全による延命化を目的としたけい酸塩系表面含浸材の開発と、耐久性・靭性および座屈回避機構を備えた複合材料ブレース材に関する研究の2件が採択された。

 コンクリート構造物の予防保全による延命化を目的としたけい酸塩系表面含浸材の開発は、岡山大学が研究している技術で、コンクリート構造物の劣化対策への予防保全において、廉価でありながら、確実な効果を生めるるカルシウム助剤を含むけい酸塩系表面含浸材の開発と、同浸材を用いた施工方法を確立する。

 同浸材を用いた施工方法を確立するために、けい酸塩系表面含浸材の成分を見直し、老朽化したコンクリート構造物の予防保全にも適用可能にするとともに、これまでよりも少ない塗り回数で、現在の材料と同等あるいは、超える性能を発揮する材料の開発を目指す。また、施工中に実施する検査とけい酸塩系表面含浸工の効果を評価する試験方法も提案する。

 耐久性・靭性および座屈回避機構を備えた複合材料ブレース材にする研究は、豊橋技術科学大学が応募した研究で、鉄骨構造物の耐震安全性向上と、改修時の施工性向上を目的としている。

 目的を果たすために、既存鋼製ブレースの一部に組み込み可能で、ブレース材の座屈変形で発生する周辺仕上げ材などの損傷や繰り返し変形による破断を座屈回避機構で防げ、一部繊維化された連続繊維強化複合材料ブレースの開発と実装を目指す。開発した複合材料ブレースは、定着部などの強度や耐久性を評価するとともに、繰り返し変形性能を数値化し、優位性を検証して、実構造への実装を行う。

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