三井住友建設がコンクリート打設システム「自動 de 覆工」を実現場で初適用山岳トンネル工事

三井住友建設は、岐阜工業と共同開発した覆工コンクリート打設システムSMC-Tunnelingシリーズ「自動 de 覆工」の展開を本格化している。

» 2020年03月27日 07時00分 公開
[BUILT]

 三井住友建設は2020年02月28日、岐阜工業と共同開発した覆工コンクリート打設システムSMC-Tunnelingシリーズ「自動 de 覆工」を福島県で施工中の「国道118号(仮称)田代トンネル工事」で初適用したと公表した。

人員と時間の削減で効果

 自動 de 覆工は、セントル(移動式型枠)のスキンプレート表面に打設中のコンクリートの高さを検知するセンサーを50センチ間隔で設置し、あらかじめ設定した高さに到達すると情報が制御盤に伝達され、所定の位置に設置されたコンクリート圧送配管に自動で切り替わるシステム。

システムのイメージ図とタブレットでの管理状況 出典:三井住友建設

 各打設位置の情報(打設高さ、圧送速度)はリアルタイムにタブレットに表示され、圧送位置の変更や異常時の圧送停止などの指示をタブレット上で行える。

 現場適用による効果には、人員と時間の削減がある。通常の覆工コンクリート打設作業では、打設の位置と高さに応じて配管切り替えを人力で行う。

 自動 de 覆工を用いることで、センサーと配管切り替え装置の組み合わせで切り替え作業が自動化され、6人で進める業務を5人で取り組めるようになる。

覆工コンクリートの打設作業(イメージ) 出典:三井住友建設

 従来、所定の高さまでコンクリートを打設後、人力で配管の切り替えと清掃作業を並行するため、都度コンクリート打設作業を中断する必要があったが、自動 de 覆工では、前もって設定した配管に自動で切り替わるため、打設が完了した配管の清掃作業と次の打設作業を並行して行うことができ、これまでと比べて作業時間を約1時間短縮する。

 国道118号(仮称)田代トンネル工事の概要は、トンネル延長が678メートルで、内空断面積(代表値)が73.6平方メートル。掘削方式は機械掘削で、地質が礫岩や火山礫凝灰岩互層、泥岩、砂岩。場所は福島県南会津郡下郷町で、工期は2018年3月26日から2020年7月13日。

 三井住友建設は、自動de覆工の積極的な現場適用を図り実績を積み重ね、独自技術として確立する方針を示している。

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