大成建設の仮設作業所、「ZEB Ready」とBELS「5スター」国内初の取得ZEB

大成建設が建設した都内の港区と杉並区の工事作業所が、「ZEB Ready」認証と、BELSの5スターを取得した。仮設の作業所としては国内初の事例だという。

» 2020年03月17日 09時00分 公開
[BUILT]

 大成建設は、東京・港区にある東京支店の赤坂中学校整備工事作業所と、杉並区の下高井戸調節池工事作業所を「先進的環境配慮型作業所事務所」として整備し、仮設作業所としては国内初の「ZEB Ready」※1の認証と、BEI(基準1次エネルギー消費量に対する設計1次エネルギー消費量の割合)によって5段階評価される「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」で最高ランクの5スター「☆☆☆☆☆」も獲得した。

1次エネルギー消費量を52〜54%削減

赤坂中学校整備工事作業所 出典:大成建設

 両作業所事務所は、仮設建築物でありながら断熱性能の向上に加え、高効率な空調システム、LED照明、自然採光などの省エネ化技術を導入し、標準的な建築物と比べて、1次エネルギー消費量を52〜54%削減させた。

下高井戸調節池工事作業所 出典:大成建設

 大成建設では、魅力的な職場環境を実現する試み「TAISEI Creative Hub」を掲げ、都心型/郊外型/仮設型の3つのワークプレース構築を対象に進めている。本社オフィスでは、都市型として「クリエイティブメディアラウンジ」を計画し、技術センターでは郊外型の「オープンミーティングスペース」を整備。2つの作業所については、仮設型のワークプレースと位置付け、作業所で働く人たちに魅力的な空間を提供する「ウェルネス作業所」を目指す。

 大成建設は、地球温暖化などの世界規模の環境問題に対し、「環境方針」や中長期目標で「TAISEI Green Target 2050」を定め、環境問題に対する取り組みを全社で進めている。なかでも、ZEB(ゼロエネルギービルディング)の普及には注力しており、これまでに、テナントオフィスビルで国内初となるZEB Ready認証の取得をはじめ、公共研究施設でも国内初の「Nearly ZEB」※2認証の取得に携わるなど、豊富な実績を有する。

 自社施設でも、2014年に建設した研究施設(技術センター)で「ZEB」※3を取得した他、2016年に支店社屋「大成札幌ビル」でリニューアルによるZEB Readyを達成した。今回の作業所によるZEB Ready取得は、ZEBの普及をより後押しするものとしている。

※1 「ZEB Ready」:再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物

※2 「Nearly ZEB」:再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減と、再生可能エネルギーを含み基準1次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減を達成

※3 「ZEB」:再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量を50%以上削減した上で、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスとなる建築物

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