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» 2020年03月13日 07時00分 公開

パナソニックが考える「2020以降の街づくり」:独自開発の「真空断熱ガラス」が欧州で高評価なのはなぜか?事業撤退したPDPメンバーのリベンジ (3/3)

[遠藤和宏,BUILT]
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強化ガラスは断熱性を従来比で約30%改善

パナソニック ライフソリューションズ社 ハウジングシステム事業部 建築システムビジネスユニット 基礎技術開発課 瓜生英一氏

 2019年12月12日に開発を公表した強化ガラスと透明ピラー仕様のGlavenirについて、瓜生氏は、「真空断熱ガラスは製造工程において2枚のガラスを高温下で溶かした封着材で溶着する。一方、一般的に強化ガラスは高温で加熱し、急速に冷却することで強度を高め、再度高温で加熱すると強度が低下するという特性があったため、両機能を効果的に組み合わせることはこれまで難しかった」と語った。

 強化ガラスタイプのGlavenirについては、「新たに独自開発した“超低温封着材”を使用することで、強化ガラスの強度が低下しない約300度での溶着を実現した。さらに、独自の封止工法により平らな表面形状での製造を具現化した他、割れた際に粒状になりケガをしにくい構造を構築し、ピラーの配置間隔を広げ断熱性も従来比で約30%改善した」と述べた。

強化ガラスタイプのGlavenir 出典:パナソニック ライフソリューションズ社
強化ガラスタイプのGlavenirの構造(左)と超低温封着材のイメージ 出典:パナソニック ライフソリューションズ社

 加えて、「透明ピラータイプのGlavenirは、真空層を支える柱であるピラーが透明な上、真空下で構成材料から発生するガスを吸着する“ガス吸着材”を目立たないガラスの端に配置することで、高断熱でありながら、従来品以上にノイズが少ない視界が得られる」とコメントした。

透明ピラータイプのGlavenir 出典:パナソニック ライフソリューションズ社
通常のピラー(左)と透明ピラー(右)タイプのイメージ 出典:パナソニック ライフソリューションズ社

 真空断熱ガラス内のピラーは1つあたり、200MPa(メガパスカル)の圧力がかかるため、従来、金属といった高強度の素材を組み込むことが多く、透明化は困難だった。パナソニック ライフソリューションズ社は、「高強度断熱透明素材」を開発することで、ピラーが透明な真空断熱ガラスの製造にこぎ着けた。

 通常のガラスと比較して4倍の強度を誇る強化ガラスタイプのGlavenirは建物の強度が必要な建物の開口部や冷蔵・冷凍ショーケースを主用途に、欧州の住宅市場を中心に販売してきたフロートガラスタイプとともに、2020年度上期に国内で発売する。透明ピラータイプは、クリアな視界が求められる建物の開口部や冷蔵・冷凍ショーケースをメインターゲットに、2020年度中にリリースする予定だ。

ローンチ予定のフロートガラスや強化ガラス、フロートガラス(透明ピラー)タイプのGlavenirのスペック 出典:パナソニック ライフソリューションズ社
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