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» 2020年02月18日 06時00分 公開

スマートオフィス:人検知センサー×ビーコンで、オフィス内のリアルタイム個人検索

大成建設は、人検知センサーとビーコンを組み合わせ、個人を特定できないデメリットや位置精度の低さといった互いの短所を補い、オフィス内の人の所在位置を高精度に把握する新システムを開発した。

[BUILT]

 大成建設は、人検知システム「T-Zone Saver」で人の所在を検知する機能に、ビーコンを組み合わせ、オフィス内で個人の所在位置を高精度に特定できる技術「T-Zone Saver Connected」を開発した。既に大成建設技術センターでリニューアルしたZEB実証棟で、スマートオフィスに関するサービスの実証に利用されている。

オフィス内のさまざまなサービス提供につなげる

 T-Zone Saver Connectedは、高い所在位置の検出精度を保有するT-Zone Saverと、WHEREが開発したメッシュネットワーク「WHERE mesh」で構成されたIoT専用LANを組み合わせることで、1メッシュ約1.8×1.8メートルの範囲で高精度に個人を特定する。

 例えば、会議などを招集する際には、オフィス内の在/不在を確認する「居場所のリアルタイム検索」や同一空間に複数人がいる場合は平均値を用いた「好みに応じた空調や照明の提供」といったサービスが実現する。

 近年のオフィスビルでは、テナントニーズが多様化し、フリーアドレスやサードプレースといったエリアを活用した働き方の変化に伴い、知的生産性の向上やウェルネスへの対応が求められている。働く人の快適性と利便性の向上には、個々の状況やニーズをくみ取る適切なサポートが重要となるため、室内で個人の所在位置を高精度に特定できる技術の導入は必須となる。

 大成建設は、2010年にエリア内での人の在席状況を高精度に識別できる検知技術T-Zone Saverを開発。空調・照明制御と連動させることで、室内の快適性と省エネ性を両立させる技術として、これまで多くの建物に導入してきた。

 今回、位置精度は高いが個人までは特定できないT-Zone Saverと、個人を特定可能だが位置精度の低いBluetoothを用いたIoTプラットフォーム「EXBeacon」から得られる測位情報を融合。人の所在位置だけでなく、個人の特定も高精度に行うアルゴリズムを早稲田大学先進理工学部 林泰弘研究室の協力を得て共同開発し、T-Zone Saver Connectedとして機能を拡張させた。

「T-Zone Saver Connected」の特徴 出典:大成建設

 EXBeaconを併用しているため、Bluetooth通信によるIoT専用のネットワークが容易に構築できることも特長の一つ。人の所在に応じた空調・照明の制御や人の位置情報を連携させたサービスだけでなく、オフィス内のモノの位置や温湿度など環境センサーからのセンシング情報など、さまざまなデータを一元的に収集することができるIoTデータプラットフォームとしても活用が見込める。

実証予定のサービス例 出典:大成建設

 T-Zone Saver Connectedは、大成建設技術センターZEB実証棟のリニューアルに合わせて導入され、2020年2月よりサービスの実用化を視野に入れた実証を開始している。

 今後、大成建設は、働く人の生産性や満足度向上につながるワークプレースの環境向上を実現する基礎技術として、建物への適用を進め、得られたデータの活用や分析を通してユーザー主体の技術確立に向けフィードバックさせることで、さらに使いやすいスマートオフィスの実現を目指すとしている。

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