VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

3D赤外線カメラでモデル作成、ウォークスルーやVR/MRで各段階の合意形成XR

大成建設は3D赤外線カメラで取得した画像を合成して、建築物を3次元モデル化し、3DウォークスルーやVR/ARで合意形成を図るサービスを開始した。企画、設計、施工、維持管理の各フェーズで利用することにより、会議の削減や手戻りの解消といった効率化が見込める。

» 2019年12月18日 10時00分 公開
[BUILT]

 大成建設は、建設工事の企画、設計、施工、維持管理の各建設生産プロセスで、建物を3Dモデル化し、詳細な情報を関係者間で共有できるサービスを展開している。

打ち合わせや現地調査の時間を削減

3次元化した建物内の3Dウォークスルー画面 出典:大成建設

 新サービスにより、関係者間での情報共有が簡単になることで、迅速かつ正確な合意形成が可能となり、工事に関わる打ち合わせ時間や現地調査の手間が削減され、生産性向上がもたらされる。

 大成建設は実現のため、米マーターポートが開発した3D赤外線スキャンカメラと、4K画像を自動合成するクラウドサービスを活用。建物3次元モデルをベースに、建物内の3Dウォークスルーによる仮想空間体験をはじめ、現状の3Dモデルと完成モデルを融合させ、設計・施工の事前検証を行う「プレコンストラクション」といったサービスを提供していく。

左が米マーターポートの3D赤外線スキャンカメラ、右がVRを活用した「空間体験」 出典:大成建設 (クリックで拡大)

 これまでに約30件の施工中建物や既存建物をモデル化し、検証を行った結果、建設生産プロセスの各フェーズで、打ち合わせ時間の短縮などの有効性が確認されたという。

 今後は、既存建物や伝統建築物、竣工建物の3Dモデル化を進め、打ち合わせや会議を含めて、建設生産プロセス全体で活用し、適用拡大を目指していくとしている。

各フェーズでの有効性確認 出典:大成建設 (クリックで拡大)

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