三井住友建設は、サスティナブルな環境配慮建築物の実現を目指し、PCa部材のリユースと内装ユニットのリフォームで新たな建物を創出する新工法を開発した。
三井住友建設は2019年11月29日、鉄筋コンクリート(RC)造の建築物で、解体とリユースを可能にする「スクライム-サット・サーブ工法」を開発したとを発表した。
新工法は、サトコウと共同開発した「スクライム-サット工法」をベースに、柱と梁(はり)部分に用いるプレキャストコンクリート(PCa)部材の接合をモルタル注入ではなく、PC鋼材を用いてアンボンド圧着させる。
これにより、建築時の急速施工に加え、圧着力を開放するだけで、基礎構造を除く躯体と内装ユニットを、部材ごとに解体とリユースすることができ、サスティナブルな環境配慮型の建築物が実現する。
開発の経緯について三井住友建設は、RC造の建築物は高い剛性、耐久性、耐火性などの特長がある一方、建物のライフサイクルが長いため、これまでリユースの検討や取り組みが進んでいなかったことを理由に挙げる。
そこで、PCa部材の製造時に発生するCO2削減の取り組みも併せ、環境負荷を軽減する工法を目指し、構造実験を重ねて構造性能を確認したという。
今後は、博覧会やスポーツ大会といった大規模イベント時の施設や仮設宿泊施設をはじめ、自然災害発生時の仮設住宅などの「期限付き建物」、「定期借地権」の土地を活用する建物、短期間で人口流出入に伴う学校施設の建設や解体など、様々な用途に応じた建物に工法を提案していくとしている。
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