飛島建設とロゼッタグループは、建設業界向けの多機能ハンズフリーシステム「T-4PO」の製品化に向けて共同開発に着手した。より多くの外国人とのコミュニケーションの実現と、安全性の向上を図る。
飛島建設とロゼッタグループは2019年9月11日、建設業界向けの多機能ハンズフリーシステム「T-4PO」の製品化に向けて共同開発を開始したことを発表した。遠隔地からも情報共有を可能とするハンズフリーアプリケーション、ならびに現場におけるデータ取得アプリケーション、さらには同時自動通訳機能を付加し、システムの構築を目指すという。年度内に実証実験を行い、2020年5月の販売予定している。
開発する多機能ハンズフリーシステムは、デバイスとして産業用スマートグラス「HMT-1」(日本システムウェア)を活用することでハンズフリーを実現し、ネットワークシステムの活用により遠隔地にいる他の技術者とのタイムリーな情報共有も可能となる。
さらにLOGや音声、テキスト、画像データを蓄積することで、建設現場の管理記録の作成などを簡素化することができ、「働き方改革」の推進にもつながる。加えて、一般的な会話はもちろん、建設技術に関する専門用語、さらには建設業界特有の単語も網羅したロゼッタグループの通訳システムを搭載することで、外国人技術者とリアルタイムでコミュニケーションを図ることが可能となる。
建設現場において、スマートフォンなどのコミュニケーションツールは、非効率かつ安全面の課題があるとともに、現場の管理・安全記録などを自動で蓄積するシステムは未整備だ。一方、グローバル化に伴いあらゆる産業でコミュニケーションツールの開発・整備が切迫している。建設業界においては、専門性の高い業務内容の共有や、状況に応じた臨機応変な対応が必要なシーンで、言語の違いが業務上の支障となっている。
両者はこれらの課題の解決に向け、海外も含めて広く建設現場に多機能ハンズフリーシステムを展開することで、より多くの外国人とのコミュニケーションの実現と、安全性の向上を図るという。その後は、ハンズフリーの利点やデータの蓄積を生かせる業種(製造・外食・介護・航空)へも展開していく狙いだ。さらに、オリンピック・パラリンピックをはじめとした国際イベントの開催時には、外国人への案内やコミュニケーションを図るアプリケーションとして、有効に活用できるシステムを目指すという。
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