三菱地所と富士通、「データコンソーシアム」を設立スマートシティー

三菱地所と富士通、「丸の内データコンソーシアム」を設立。国立大学法人東京大学やソフトバンクなど参加企業とともに、データ活用を通じて街・社会に新たな価値や新たな事業の創出を目指す。

» 2019年10月24日 10時00分 公開
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 三菱地所と富士通は、2018年度に実施した実証実験を踏まえ、東京・丸の内エリアにおいて、データ活用を通じ、街や社会に新たな価値や新たな事業の創出を目指すことを目的に「丸の内データコンソーシアム」を2019年9月に設立。設立に合わせ、両者は国立大学法人東京大学やソフトバンクら企業8社の協力のもと、データを保有する企業や街づくりに取り組む組織などを対象に、コンソーシアムに参加する企業の募集を開始する。

photo 「丸の内データコンソーシアム」の活動イメージ図 出典:富士通

 丸の内データコンソーシアムでは、参画した企業・組織が、アイデア創出からフィールド検証まで一貫して取り組めるよう、ワークショップやセミナーなどを開催する。さらに、データ流通・利活用基盤の提供や、データ分析支援を行うデータサイエンティストによる支援とともに、実証実験や新ビジネス創出を支えるため多様な企業とのチャネルを提供する。

photo 「丸の内データコンソーシアム」の体制図 出典:富士通

 コンソーシアム設立に合わせ、「街における活動関連データ取得・活用プロジェクト」や、本人同意のもと取得したパーソナルデータの流通を担う「情報銀行プロジェクト」など、データ活用に関する8つのプロジェクトを始動する。

 街における活動関連データ取得・活用プロジェクトでは、東京大学大学院工学系研究科大澤研究室と人々の消費・移動・実業行動に関わるデータに基づいた「有機的データ連成プロセスの開発」、東京大学大学院情報理工学系研究科山崎研究室は、丸の内エリアのイベント及び商業施設活性化のための「イベント及び商業施設活性化のためのSNSビッグデータ解析」に取り組む。

 また、ソフトバンクと携帯電話の基地局に設置した地震計で測定する地震観測デー

タなどを利用した「地震観測データの有用性検証」、unerryと丸の内エリアに設置する約1000個のビーコンにより取得する位置情報データを用いた解析を行う「来街者の行動データ解析」、グルーヴノーツと量子コンピュータを活用した「廃棄物収集ルート最適化分析」を行う。

 なお、コンソーシアムは先に発足したイノベーションの創出を支援する会員制組織「Tokyo Marunouchi Innovation Platform(TMIP)」の連携プログラムとして運営する。

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