建設現場と職人のマッチングアプリ「助太刀」を運営している助太刀は、「助太刀組合」を設立し、建設業界の一人親方を対象にした労働災害補償保険の取り扱いを開始した。
総務省統計局の「2016年度労働力調査」と厚生労働省労働基準局のデータによると、建設業就業者492万人のうち、技能労働者は326万人にのぼり、その多くは一人親方とされる。しかし、一人親方の労災保険への加入者数は、50万人ほどにとどまっている。
実際に厚生労働省労働基準局では、建設業界の一人親方による作業中の死亡事故が毎年80件前後も発生している一方で、このうち約45%が労災保険に加入していない実態を受け、保険への加入をリーフレットなどを通して促している。
たとえ一人親方であっても、労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の人々には、特別に「一人親方労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)」で、任意加入が認められている。この制度は、労働局より承認を得た労災保険の特別加入団体を通して加入する必要がある。
そのため、助太刀では、手軽に一人親方が労災保険に加入できる仕組みを整えるべく、2019年3月に労災保険特別加入に関する一切の事務処理などを行う助太刀組合を設立した。建設業界に従事する一人親方の労災加入率100%を掲げ、2025年をめどに組合経由での一人親方の加入者数10万人を目指すという。
対象となるのは当初、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨、群馬、栃木、茨城、静岡の在住者で、その後順次、全国へと拡大していく。組合費は月額に換算して500円で、保険対象期間分(最大1年間)を保険料と一括で支払う。2019年10月以降は、助太刀のアプリとも連携し、面倒な書類への記入が不要となり、スマートフォン上で必要事項を入力するだけで加入が完了するようになる。
なお、助太刀組合の業務は、組合員のニーズを踏まえ、労災保険以外にも広げていく予定としている。
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