Sigfoxのネットワークの仕組みは、以下のように非常にシンプルである。
この仕組みはグローバルで統一されており、世界中どこからでも利用可能である。つまり、Sigfoxネットワークを使って開発したソリューションをそのままグローバルに展開でき、料金モデルも自国のネットワークオペレーターと契約することで、他国のネットワークを利用することが可能である。
Sigfoxネットワークの通信は、電池で長時間運用することを考慮して、非常に単純化された通信仕様となっている。IoTデバイスはデータを送信する時のみ、トランシーバーを起動させ、送信以外の時はスリープ状態となるため、待機電力をほぼ消費しなくてよい。省電力を実現するための仕様として、最大12バイトのデータを1つのメッセージとして送信する。
12バイトは小さいサイズと思われるが、センサーや計器データであれば、実用に耐える十分な長さである。また上り通信時に下り通信を要求することで、8バイト固定長の下りメッセージを送信することができる。この下り通信を利用することで、デバイスの制御や設定変更が可能となる。
連載第1回では、Sigfoxネットワークの概要について述べた。Sigfoxはセンサーに最適化された低容量・低速・長距離通信技術である。その結果、「年額100円※からの低価格な通信費」「乾電池で数年間稼働可能な低消費電力」「シンプルな技術による低価格デバイス」を実現している。日本でサービスが展開されてから2年半が経過し、Sigfox通信機能を搭載したIoTデバイスの開発・導入が各所で進んでいる。
次回の第2回では、建設業でSigfoxネットワークが活用されている事例として、傾斜監視システム、落石監視システム、ひずみ監視システム、水位監視システムについて紹介する。
※通信料金は契約回線数および1日あたりの通信回数によって異なる。
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