センシンロボティクスは、外壁などの点検業務を自動航行ドローンによって行うサービスをベイシスと共同提供する。可視光・赤外線カメラを搭載したドローンを活用することで、点検作業の安全と効率化を実現し、現場技術者の高齢化や担い手不足に対応したい考えだ。
センシンロボティクスは2019年9月、外壁や鉄塔、送電線などの点検および調査を自動航行ドローンで行うサービスをベイシスと共同で提供することを明らかにした。ベイシスが行う点検業務において、センシンロボティクスが提供するドローン自動航行プラットフォーム「SENSYN FLIGHT CORE」を導入するとともに、離着陸および充電を全自動運用で行うドローンポート「SENSYN DRONE HUB」の設置・保守も2社共同で提供する。
従来型の点検・調査業務は人力で行っていたため、足場の組み立てや高所作業車の手配などにかかるコストが高くついたが、ドローンを使うことで従来型よりも作業の手間や時間を約3分の1に低減できる。またドローンに搭載した可視光・赤外線カメラにより、人力では見落としがちな微細な剥落(はくらく)や不具合も見逃さない。さらにSENSYN FLIGHT COREの活用により、可視光・赤外線カメラで撮影した画像の自動解析と点検結果レポートの自動作成も可能となる。
本サービスの背景には、少子高齢化による労働人口減少に伴うインフラ点検作業の担い手不足がある。インフラの長寿命化を実現するには定期的な保守点検が欠かせないが、メンテナンスの担い手は、55歳以上が約3割を占めるのに対して29歳以下が約1割にとどまるなど、高齢化が著しい。可視光・赤外線カメラを搭載した自動航行ドローンを広く活用すれば、インフラ点検作業の安全と効率化を同時に実現でき、現場の担い手不足の改善も期待できる。
今後についてセンシンロボティクスは、ドローンやICT、RPA・AIなどのテクノロジーを活用することで、ベテラン技術者に依存せざるを得ない現場事情を変革し、わが国のインフラの長寿命化に貢献したいとしている。
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