不動産大手2社が語るスタートアップとの“共創”方法、三井不動産と東急住宅リース:不動産テックカンファレンス2019(3/3 ページ)
東急住宅リースは2016年に、スタートアップ11社を集め、オープンイノベーションを開催した。「オープンイノベーションは月に1回開き、不動産管理会社を中心とした業界のIT化を目指し議論を重ね、日常的にチャットツールも用いて意見を交わした」(佐瀬氏)。
東急住宅リースが11社のスタートアップを集め実施したオープンイノベーション
アットホームやLIFULなどと連携し構築した東急住宅リースの不動産向け管理システム
続けて、「こういった話し合いに基づいて、テナント入居者やオーナー企業、修繕会社、仲介会社との情報共有などが行えるシステムを構築した。最大の特徴は社内で利用するシステムは自社開発し、外部が関わるようなものは、アウトソーシングで進めたこと。当社でも『LIBR』という入居者アプリを1年半かけ作成したが、この速度では市場で展開するのは難しいと体感し、ベンダーなどに発注するようになった」と振り返った。
東急住宅リースが不動産業界にも必要だとするアジャイル思考
スタートアップとの付き合い方について、「不動産会社にありがちなのは、スタートアップを単なるシステム請負会社と思い込んでしまうこと。スタートアップは、自社の製品に自信を持っており、大きな理念を有している。スタートアップが開発したものを不動産会社が積み上げてきたネットワークで育て、共に成長していくのが重要。また、不動産会社もアジャイル思考を身に付け、スタートアップの迅速なワークフローに対応できる体制を整備することも必須だ」と付け加えた。
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