プロパティデータバンクは、BIMデータを活用し、不動産管理クラウドサービス「@プロパティ」の機能拡張を進めている。
プロパティデータバンク(PDB)とオートデスクは、不動産のマネジメント業務をサポートするクラウドサービス「@プロパティ」とBIMモデルをリアルタイムに連携するアドオンを開発した。
プロパティデータバンクは2000年10月に、清水建設の社内ベンチャーとしてスタートした企業。不動産の資産管理業務を効率化する@プロパティの展開を中心に事業を拡大している。
@プロパティは、建物の名称や所在地といった基本情報や賃貸契約の詳細確認、債権管理、損益計算などを行えるもの。導入企業数は約270社で、利用棟数は約5万棟に達している。
今回のアドオンを搭載することで、BIMソフトウェア「Autodesk Revit」から不動産のマネジメントに必要なBIMモデルを取り込めるようになる。用途に応じた各種APIを提供するプラットフォーム「Autodesk Forge」にも対応し、物件の設備や施工履歴といった情報にBIMモデルをひも付けしたものをリアルタイムに、クラウド上で閲覧できるシステムが実現する。
特定のソフトを起動することなく、@プロパティ上でBIMモデルを利用できるため、専門知識のないユーザーでも簡単にBIMモデルを使える。このシステムは日本設計の協力のもと、モデルとなる建物で検証が重ねられているという。
2019年8月1日、東京都中央区のオートデスク本社で開催された記者説明会で、PDB代表取締役社長の板谷敏正氏は、「@プロパティ上の指定したテキストなどをクリックすると該当するBIMモデルが表示される仕組みを構築している。建物の補修や敷設工事の他に、将来実施される工事情報もひも付けできるので、予防保全やファシリティマネジメントにも役立つ」と語った。
PDBでは、こういった不動産の管理情報とBIMモデルをクラウド連携させた資産マネジメントサービスを「Property Information Modeling(PIM)」と呼称している。
PIMは、建築物の構造や設備、利用されているスペースの面積や位置、改修工事の実施状況などの情報を見える化するとともに、テナント契約や利益、費用、投資計画、設置された機器や資材の不具合箇所などの資料を連携させ、総合的な資産マネジメントを後押しするという。
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