点群取得時間を短縮する手法としては、F6 SMARTを活用することを提案した。F6 SMARTは、地上設置型のレーザースキャナーでは対応が難しい狭くて複雑な場所や機械の設置が困難な位置、時間が限られる場合に役立つハンディータイプの3Dスキャナー。最大測定距離が4メートル、最大視野範囲約5.5×4メートル。F6 SMARTを地上設置型のレーザースキャナーとを併用することで、大幅な計測時間の削減を行えるという。
「F6 SMARTはスキャンしたデータを点群かSLT形式で出力でき、Galaxy-Eyeでの読み込みにも対応している。地上設置型のレーザースキャナーで取得しきれなかった情報を補完するのに貢献する。例えば、入り組んだオフィス内を地上設置型のレーザースキャナー1台で8カ所測る場合、作業時間が1カ所10分と見込むと、約80分かかる。だが、2カ所のみ地上設置型のレーザースキャナーで測定し、4カ所をF6 SMARTで補うことで、約25分で業務が完了し、45分の時間縮減につながる。F6 SMARTは、通常タブレット端末で、点群の取得状況を確かめながら、使用するが、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に接続し、スマートグラス上で現状を確認しながら利用することで、片手にタブレットを持たなくても良い」(北村氏)。
続けて、「個々に取得し点群データは、Galaxy-Eyeの角認識機能で容易に合成できる。Galaxy-Eye上で、各点群の角付近の点を3つずつカーソルで選択し、それぞれの点群の角を認識させることで、スムーズに点群を組み合わせられる」と付け加えた。
この他、大規模なデータの管理という問題に対しては、建物のデータを階層別にマネジメントすることに加え、Galaxy-Eyeの機能を生かし、点群情報や各種図面に関連した資料をリンク付けすることで、視認性の高いデータにできるとまとめた。
【訂正】記事の初出時より図9の図版を差し替えています。(2019年9月20日20時)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.