トプコンソキアポジショニングジャパンは、人為的なミスの削減やデータ管理の円滑化を目的に、トータルステーションとオートデスクのクラウドサービスを連携した墨出しポイント取得ワークフローの普及を推進している。
トプコンソキアポジショニングジャパンとオートデスクは2019年5月28日、東京・中央区のベルサール東京日本橋で、「墨出し・杭打ちBIM&クラウド連携セミナー」を開催した。
本稿では当日のアジェンダのうち、トプコンソキアポジショニングジャパンICT推進部営業開発グループの菊池誠勇氏による「施工BIM/CIMソリューションについて〜3D計測機器と連動システムの紹介〜」と題した講演をレポートする。
トプコンソキアポジショニングジャパンは、トータルステーションやマシンコントロールシステム、3Dレーザースキャナーを開発するトプコンの販売会社。2004年から上市しているレイアウトナビゲーター「LN-100(通称:杭ナビ)シリーズ」と、オートデスクのクラウドベースの建設プロジェクト管理プラットフォーム「Autodesk BIM 360(以下、BIM 360)」とを連携した墨出しポイント取得ワークフローの普及を進めている。
墨出しポイントの入手は、作業員による平/断図面を参照しての高さ情報確認やマニュアル業務を経て行われている現場も少なくなく、図との非整合による手戻りや人為的ミスが発生しているという。また、測定データの移行に多くの時間を要す点や測量座標結果と設計図が紐づけされてないため、管理が難しいといった課題がある。
トプコンが提案するLN-100シリーズとBIM 360を連携したワークフローは、3次元データ上での墨出し・杭打ちを実現し、これまでの課題を解決している。
手順は、まず、オートデスクのBIMソフトウェア「Revit」などで作成したBIMモデルに、位置座標配置アプリケーション「Point Layout」で墨出しと測量ポイントを設置し、BIM 360のクラウドサーバにアップロードする。次に、iPadにダウンロードしたBIM 360 Layoutアプリで、さきほど製作したモデルをクラウドサーバから取り込み、LN-100シリーズと接続し、情報を共有する。
そして、iPadの画面上で墨出しポイントを確認しながら、LN-100シリーズを用いて、測量を行う。計測した座標データはiPad上に表示されることに加えて、BIM 360のクラウドサーバに送信することができる。事務所や本社では、クラウドを介して測定結果を取り込むことで、現場とのスムーズな墨出し情報の共有が実現する。
利点としては、BIMモデル上で直接測量や墨出しのポイントを追加するので、図面との整合性が図れることがある。また、クラウドで業務をつなぐため、人為的なミスの軽減や測定データとBIMの一元管理ができるのもメリットだ。
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