ゼンリンは「第27回 3D&バーチャル リアリティ展(IVR)」で、建設用のBIM/CIMモデルに統合できる3D地図データの提供サービスを紹介した。2019年4月からは、必要な時に、必要な地図だけをダウンロードできる“オンラインサービス”を開始する。
ゼンリンは「第27回 3D&バーチャル リアリティ展(IVR)」(「日本 ものづくり ワールド」内、会期2019年2月6〜8日、東京ビッグサイト)で、BIM/CIMモデルに利用できる3次元地図データを紹介した。
ゼンリンの3D地図データは、もともとはカーナビゲーション向けの3D地図データを建設向けに転用したもの。汎用性の高いFBX形式に変換して、設計、建築、都市開発の各種シミュレーション用途として提供している。2019年4月からは、ユーザーが利用しているソフトウェアに最適な仕様に変換して、オンライン上で提供するサービスがスタートする。
3D地図の建設業での活用は、「Autodesk Revit」や「GRAPHISOFT ARCHICAD」などで作成したBIM/CIMモデルに、必要なエリアの「広域3次元モデル」や「3D都市モデル」を「Autodesk Navisworks」「Lumion」などで統合。建築物のモデルに、周辺環境の3次元データが加わることで、施工計画の検討や周辺環境を含めた設計意図のプレゼンテーションに活用されている。
広域3次元モデルは、全国を網羅したゼンリンの建物情報と地形データから制作した3D地図。一方の3D都市モデルは、より詳細なデータで、360度カメラを搭載した計測車両で現地を走って取得している。航空測量で取った3次元データと比べ、地上の景観・建物・道路情報のディティールが細かく、リアルな街並みを再現。方面看板や道路上のレーンペイント、ETCレーン、複雑な高速ジャンクションも、忠実に3Dモデル化され、建設・土木以外にも、看板や標識の視認性などサイン計画の立案でも利用されている。
3次元化されたビルや構造物のオブジェクトは、エリア全体で1つに結合されているわけではなく、オブジェクトごとにレイヤーで管理している。そのため、既存の建物1棟ごとに表示・非表示をすることができ、現況で建っている建築物を消して、その上に新築予定のBIMモデルを配置するなど、多角的な検討が行えるのが、他の地図データサービスには無い特徴だ。
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