安藤ハザマとイクシスは、建築工事で施工自動化装置のベースに活用できるBIMモデルと連携した自律走行ロボットを共同開発した。
自律走行ロボットは、建築工事の施工を自動化に向けて、ロボットが建物内のどの位置に存在しているかを高精度に認識するため開発された。
ロボットは、本体をはじめ、現在位置を測定するためのプリズム自動追尾型測量機と、移動指示と位置確認を行う「位置認識・移動制御システム」で構成。レーザースキャナーを利用して、取得した周辺環境の情報から、自己位置推定と地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)で、自律移動が可能になる。
システムの画面に表示されるBIMモデルの描画には、ゲームエンジンが使われ、タブレットや汎用PCでも快適に動作する。システムとロボット、測量機のデータ通信は、無線LANを介して行う。
ロボットに対する移動指示は、PCやタブレット上のシステムから2次元座標(X、Y)で指定すれば、ロボットがその位置近くまで、下部の移動台車を動かして自律走行する。ロボット上部の四隅には360度プリズムを搭載しているため、ロボットの位置を3次元座標(X、Y、Z)で確認可能で、向きや傾きまでを測定する。
測量機は、同時に複数のプリズムを検出することはできないが、測量機から検出しやすい1カ所のプリズムを順次露出し、それ以外を遮蔽(しゃへい)する機構と、システムから測量機の向きを制御する機構で、複数のプリズムを自動検出する。
ロボットの外形寸法は770(幅)×800(高さ)×770(奥行き)ミリ(プリズム格納時)、重量は60キロ。走行速度は毎秒0.5メートル。
自律走行ロボットは、建築現場における材料の取り付け作業やアシスト、資機材の運搬や検査・点検などの自動化装置に搭載することで、作業を省力化させ、生産性の向上につながるとしている。
今後、両社はロボットの軽量化と自己位置認識技術の高度化を図り、施工の自動化技術と連携した装置の実用化を目指す。
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