レンジャーシステムズは、建設現場の入退場管理を効率化する高性能顔認証システム「mono AI-Face」を開発した。2019年秋をめどにラピーダと共同で、建設業界向けに販売展開していく。
レンジャーシステムズは、「ワイヤレスIoT EXPO2019」(会期2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト/ワイヤレスジャパン2019併催)で、建設現場の入退場管理を効率化する顔認証システム「mono AI-Face」を展示した。
mono AI-Faceは、単独で高性能な顔認証を行え、入退場の効率化や不正侵入の防止などをサポートするシステム。高解像度カメラで撮影したデータから人の顔を認識し、顔情報を抽出する。速度は限定されるが、現場入場者がその都度立ち止まらずに個人の顔を識別できるのが特長だ。
高精度な顔認証は、センスタイムジャパンの「SensePerson」を搭載することで実現した。SensePersonは、これまで集積してきた顔の特徴などのデータベースを活用した顔認識率99%以上を誇る画像認識技術。
付属の表示灯は、黄点滅が未検知、黄点灯が顔検知、緑点灯が顔認証成功、赤点灯が装置の異常を知らせる。
mono AI-Faceは、LTE(Cat.M1)を介して、専用クラウドサーバ「mono AI クラウド」と通信し、顔認証用のデータ登録やリモート監視、管理、データベースの更新、追加で顔認証用データの更新などもできる。サーバのAPI経由で出退勤やデータ登録などのシステムと連携も可能だ。
本体の寸法は、125×100×40ミリで、重量が500グラム。IP65相当の防じん、防水性能に加え、ファンレスとなっている。mono AI-FaceのLTE(Cat.M1)通信は、Softbank、au、docomoへの対応を予定している。
レンジャーシステムズの担当者は、mono AI-Faceについて「mono AI クラウドと連動することにより、複数の建設現場で、顔認証データの共有ができるため、現場を横断した作業員の行動にも柔軟に応じられる。今後は、ラピーダと共同して、mono AI-Faceを活用した入退場システムの開発を進め、建設業界を中心に顔認証による勤怠管理の普及と利用促進を図っていく」と話す。
具体的には、mono AI-Faceと、ラピーダが展開する建設業界向けの入退場システム「EasyPassシリーズ」とを連携させ、従来のカードリーダーにICカードをかざす方法に加え、顔認証による入退場管理も可能とすることで、建設現場における建設技能者や現場監督の利便性向上を実現していく。
mono AI-Faceの発売は2019年秋を予定しており、建設現場を対象に初年度5000台の販売を見込んでいる。
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