太平洋セメントは、コンクリート製造の自動化・高度化をもたらす基盤技術として、練り混ぜ後のコンクリートのスランプを、AIで瞬間的に高精度で予測する技術を開発した。
太平洋セメントは、AIを用いてコンクリートの製造工程で、ミキサー内の練り混ぜ画像から、瞬時にスランプを予測する技術を開発した。
固まる前のコンクリートの軟らかさを表す指標値“スランプ”は、最も重要な品質項目の一つとされる。そのため、コンクリートの製造工場では、適正な材料や計量の管理に加え、オペレータはミキサ内のコンクリートが練り混ぜられている状況をモニター越しに確認しながら、スランプの安定化を図る手間が生じている。
新技術は、AIの深層学習(ディープラーニング)による画像認識を利用し、ミキサー内のコンクリート練り混ぜ中の映像から、瞬時にスランプの予測を行う。正解率(実測値±2.5センチ以内)は、99%以上と、JIS規格で定められている許容差高い精度を有しているという。
今後は、AIによる予測技術をコンクリートの製造工場へと実装し、コンクリート品質のさらなる安定化と製造工程の人手不足を解消する省力化や自動化を進めていくとしている。さらに、画像だけではなく、材料や製造などに関する各種データと組み合わせることで、工事現場の荷卸し時や硬化後の品質予測などの技術を確立することを目指す。
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