今回、試験導入された日向(ひゅうが)幹線は、宮崎・大分両県を通る九州電力の基幹送電ルート。東九州変電所(大分県臼杵市)とひむか変電所(宮崎県木城町)を結び、九州山地の峰を縫うように送電している。完成すれば、送電網が不十分だった東九州を含め、九州全体の電力の安定供給につながる。
架空送電線の建設は、主に郊外や山岳地で地上に鉄塔などを建て電線を張る工事。基礎、組み立て、架線の3ステップで行われ、工具や資材などの積み下ろしが日常的に必要とされる。とくに基礎工事では、山間部の傾斜地などに鉄塔の基礎を設置するため、重量がある部材の人力による運搬やスコップや鍬(くわ)を使った屈(かが)んだ状態での作業を強いられ、作業員には大きな負担が掛かる。
試験導入の検証後には、MODEL Yの使用感を装着者にヒアリングした。結果、基礎工事の作業者は「重い資材を持ち上げるとき、上半身がアシストされた。ブレーキモードのため、中腰姿勢で行うスコップのならし作業が楽になった」とコメント。
複数人が息を合わせて重量物を運ぶ組み立て工事では、「(MODEL Y)は動きに対する反応がスムーズ。2人で鉄塔部材を持って地面に並べる時、呼吸を合わせやすい。腰をかがめて行うボルト締め作業も容易になった」と、架空送電線建設での有用性を語った。
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