大林組は、次世代建設プロセスの構築として同社が掲げる「Obayashi Construction 4.0」の一環として、アシストスーツ「パワード・クロージング(Powered Clothing)」を開発した米国のベンチャー企業「Seismic Holdings」へ出資することを発表した。
大林組は、米国のアパレル系ベンチャー企業Seismic社に出資し、建設業向けにアシストスーツの製品開発を促進させることを明らかにした。
Seismic社は、スタンフォード大学により設置された米国の非営利科学研究組織「SRI International」からスピンオフしたスタートアップ企業。SRI時代に、米国国防高等研究計画局(DARPA)から委託されたプログラムで開発した技術をベースに、ロボット工学・技術をアパレルデザインに融合させた「パワード・クロージング」の商品化に成功した。
パワード・クロージングは、着用者の筋肉・骨格・関節などの動きに連動して伸縮する人工筋肉が、衣服に一体化されている。
服のように軽量でコンパクトな人工筋肉は、適用部位を自由に選択することで、日常の生活のさまざまなシーンでの使用が見込まれる。2018年12月には一般消費者向けに米国での発売が予定されている。日本国内での販売は現時点で未定だという。
今回、Seismic社への出資は、建設会社としては初の試みとなる。大林組では、「インダストリー4.0」を建設業に適用した次世代建設プロセスの構築「Obayashi Construction 4.0」を掲げているおり、建設プロセスで人をサポートし、時には代替となる建設支援システムの提供を目指している。
パワード・クロージング技術への投資はこの一環で、現在対象としている一般消費者だけでなく、その先に体を使った作業の多い建設技能労働者の負担軽減としても高い需要を見込んでいる。Seismic社への資本参画により、戦略的なパートナーとなることで、建設業を含めた産業向けの「パワード・クロージング」の開発を加速させることがねらいだ。
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