配電地上機器は、国が推進する無電柱化に伴い、電柱上に設置していた変圧器や開閉器を収納した地上電気設備。防災や景観の観点から電柱地中化の流れは加速しており、今後も地上部に残る配電地上機器の増加が見込まれる。そのため、各自治体やメーカーは機器にサイネージを取り付けたり、グラフィックを印刷したシートを貼るなどして、有効活用することを模索している。
しかし、自治体でも、配電地上機器を活用した情報配信サービスの有用性は認識しているが、DSの運用コストから導入に及び腰となっているのが実情だ。
渋谷での実証実験が始まった2019年1月15日の同日、パナソニックと東電PGは、その運用コストの問題を解決する、商業広告を配信して費用負担を補う実証実験をスタートさせた。対象の機器は、JR田町駅前の歩道上で既に運用されている配電地上機器に備え付けられたDSで、ここに民間企業・団体の商業広告を配信するのは国内初の試み。
実験は、港区の協力を得て、2018年4月4日よりJR田町駅前で実施しているストリートサイネージを用いた情報配信サービスの実証実験の一環として行う。これまで配信してきた区政情報や広報動画に、地元の民間企業・団体などの広告を加えることで、運用費の創出効果を検証する。実験の期間は2019年3月末まで。
商業広告の配信に合わせて、区民からのニーズが高い、天気予報・時事ニュース・交通情報といった通常で流すコンテンツも拡充させる。緊急時には従来通り、警報や注意情報などを日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語でリアルタイムに発信。DSの放映時間は午前5時〜翌午前0時。
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