うるるは、民間向け入札情報サービス「NJSS」と公的機関向け「調達インフォ」を連携させた「落札実績PR機能」の提供を開始した。建設会社が過去の落札案件での自社の工夫や強みを発注担当者へ直接届けられる仕組みで、公共工事の受注拡大を後押しする。
公共工事や官公庁向けビジネスで、自社の技術力や現場での工夫を発注者にどう伝えるか、多くの建設企業が頭を悩ませている。その難問を解決する新たな仕組みが登場した。うるるは2026年10月27日、入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」と公的機関向けサービス「調達インフォ」を連携させた新機能「落札実績PR機能」の提供を開始した。
これまで、公共入札の結果は、落札金額や企業名のみが公表対象となり、企業が現場で発揮した高度な施工技術や工程短縮の工夫などを発注機関の担当者へ直接アピールする手段はほとんどなかった。特に建設業界では総合評価落札方式の導入が進み、価格以外の技術提案力が問われるため、事前の情報発信が極めて重要となる。
新機能は、こうした「価格以外の価値」を官公庁や自治体へ直接届ける橋渡し役を担う。民間企業はNJSSのシステム上で自社の法人番号を登録し、自動表示した過去の落札実績一覧からアピールしたい案件を選ぶ。そこに担当部署の情報や実際の業務で生かした独自の取り組み、工夫などのPR情報を入力して申請。運営スタッフが内容を確認した後、公的機関の担当者が利用する調達インフォ上に、その実績とPR情報を掲載する。
ポイントとして調達インフォは、公的機関のドメインを持つ担当者しか登録できない「クローズドなプラットフォーム」だという点が挙げられる。そのため、企業は競合他社に、自社のノウハウや営業戦略を見られることなく、ターゲットとなる発注担当者へピンポイントで自社の強みを売り込める。
一方、発注側の国や自治体にもメリットをもたらす。現在、調達インフォは約1200機関の調達担当者が利用し、過去の仕様や価格の調査などに活用している。採用が進む理由としては、行政の担当者も「類似の案件に対応できる技術力の高い企業を探したい」というニーズを抱えているからだ。
今回のシステム連携で、担当者は調達インフォ上で企業情報を検索し、法人番号で正確に企業を識別した上で、落札実績に付随するPR情報を読み込む。その結果、数字だけでは見えない各企業の得意分野や対応力を把握し、次期発注先や見積もり依頼先を選定する際の参考にできる。
うるるは2026年9月にも、企業の基本情報や対応エリアを「調達インフォ」に公開する機能を実装した。今回の落札実績PR機能が加わることで、企業は基本情報と実績の双方からアピールが可能になった。
官から民への入札情報の提供にとどまらず、民から官への直接的な情報発信を実現したことで、公共調達市場での官民のミスマッチ解消と、双方向の情報流通がより最適化される。
うるる Govtech事業本部 副本部長 兼 調達インフォ事業部 事業部長 北澤雄太氏は、「NJSSと調達インフォの運営を通じて、公的機関側の対応できる企業を知りたいという思い、民間企業側の自社の仕事を知ってほしいというニーズに触れてきた。こうした声を受け、企業の基本情報に加え、個々の案件で培った経験や工夫まで届けられるように、両サービスの連携を深めている」と説明する。
また、「公共入札は、地域の暮らしを支える重要な仕組み。民間企業が積み重ねてきた実績や工夫が正しく伝わり、官と民が互いを深く理解してつながることが、より良い公共サービスの提供につながると信じている。今後も官民双方の声に耳を傾け、公共入札が官と民にとって価値ある出会いの場となるよう支援する」とコメントする。
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