生成AI関連では、「設備管理向けナレッジ活用アプリケーション」も展開している。設備の空間情報と、熟練技術者のノウハウや点検マニュアル、修理履歴などを関連付けて蓄積し、設備管理業務の効率化と技能継承を支援する。
設備管理の現場では、図面やマニュアル、点検記録、過去のトラブル対応などが個別に管理され、必要な情報を探すのに時間がかかる。また、熟練技術者の判断やノウハウが十分に共有されず、作業品質にばらつきが生じることも問題となっている。
生成AIによる検索はベクトルデータベース(Vector DB)を利用することも多いが、本アプリではGraphDBを用いる。設備とそれに関連する文書や履歴などのつながりをグラフ構造で保持し、その関係性をたどりながら必要な情報を検索できる。担当者によれば、「設備や空間との関係性を基に検索対象を絞り込むことで、関連性の低い情報が検索結果に含まれる可能性を抑え、必要なナレッジを効率よく取得できる」とのことだ。
利用者は、AIエージェントとのチャット画面に質問を入力し、対象設備に関連する文書、点検や修理の履歴、熟練者のノウハウなどを対話形式で参照できる。
日立ソリューションズは、熟練技術者へのヒアリングや点検資料の整理を通じて、暗黙知となっていたノウハウを言語化/ナレッジ化する。こうして蓄積した知識を設備管理業務に活用することで、技能継承につなげている。
「DroneDeploy」は、ドローンや360度カメラで撮影した画像を一元管理し、現場の記録や測量、分析、情報共有に活用する統合型プラットフォーム。ドローンで撮影した画像から2Dマップや3Dモデル、点群データを生成し、現場の進捗記録、距離/面積/体積の計測、過去データとの比較などに活用できる。
「DroneDeploy」の説明パネル。海外製品で、日立ソリューションズがアプリケーションの販売を担う。ドローンや360度カメラなどの機材提供、操縦、現地での撮影は提供範囲に含まず、必要に応じて航空測量やドローン運用を担う事業者と連携する主な機能の1つ「Aerial」は、ドローンで上空から撮影した画像をクラウド上で処理し、オルソ画像や3Dモデル、点群データとして表示する。広い敷地や屋外設備を俯瞰し、施工や点検の進捗、設備の配置などを確認できる。
もう1つの「Ground」の機能は、地上を歩きながら撮影した360度画像を記録して共有する。作業者が360度カメラを持って建物や設備内を歩くと、移動経路に沿って周囲の画像が連続的に記録される。
撮影後は、地図や平面図上に表示された移動軌跡から場所を選び、その地点の360度画像を呼び出して現場の状況を確認できる。担当者は「事務所に戻った後でも、確認したい場所を指定して、その地点の360度画像を見ることができるので、現場の状況確認や関係者間の情報共有に役立つ」とメリットを強調する。
設備管理の業務では、点検時の現場記録や関係者間の情報共有に有効だ。建物内の設備や施工箇所を定期的に撮影しておけば、不具合が発生した場所の周辺状況を遠隔から確認し、過去の画像とも比較できる。現地確認の回数を減らし、点検や修繕計画の検討を効率化する。
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