光通信を中心とする共同ファンドは、レオパレス21を完全子会社化する目的で、1株1000円のTOBを開始した。買収劇の背景には2018年に発覚した施工不備問題に伴う、管理物件の減少など事業環境の悪化があったという。TOBが成立すればレオパレス21は上場を廃止し、光通信グループの商材導入や法人顧客の獲得支援を受けつつ、賃貸事業の抜本的な構造改革を進めることとなる。
光通信は2026年9月14日、MBKパートナーズが運営する投資ファンドとNECキャピタルソリューション傘下の投資ファンドと共同で、「レオパレス21」の普通株式などに対する公開買付け(TOB)を実施し、完全子会社化すると発表した。
買い付け価格は普通株式1株につき1000円に設定し、買付期間は2026年9月15日から10月30日まで。
レオパレス21は同日開催した取締役会でTOBに賛同し、株主に応募を推奨する決議を行った。TOBが成立した場合、所定の手続きを経てレオパレス21は上場廃止となる。
レオパレス21は、2018年に発覚した施工不備問題への対応に、多大な経営資源を注いできた。家賃適正化や人件費削減で問題は解消に向かいつつあるものの、管理する物件の築年数は経過し、管理戸数も2020年3月期の約57万戸から直近の約54万戸まで減少が続くなど、競合他社に比べ厳しい事業環境に陥っている。
また、2027年4月から強制適用が始まる新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)への対応を含め、ビジネスモデルの再構築も急務となっていた。しかし、短期的な業績や株価への配慮が求められる上場企業のままでは、複数年にわたって収益を圧迫しかねない抜本的な構造改革を断行することは困難と判断した。
光通信を筆頭とする買収陣営は、非公開化によって短期的な市場の評価に左右されない環境を整え、強力な事業支援に乗り出す。狙いは、約54万戸の管理物件に対する光通信グループの商材導入にある。電気やガス、インターネットサービス、ウォーターサーバ、決済代行、保険といった生活インフラに加え、空室時の通電サービスや故障時のコールセンター対応などの付帯サービスを入居者へ提供し、入居者の利便性を高めると同時に、新たな収益源を確保する。
また、当事者間で得た収益の一部を物件オーナーへ還元する仕組みも検討している。契約条件を段階的に見直すことで、オーナーの収支を改善して関係性を強化し、物件解約の抑制や新たな建て替え需要の補足につなげる。
さらなるシナジーとして、光通信グループが抱える法人顧客ネットワークを活用した新規入居者への獲得経路の増強を見込む。レオパレス21の物件は約3分の2が法人による社宅利用で、これまでアプローチできていなかった光通信の取引先へ案内することで、新規入居者の獲得と管理物件の稼働率向上が期待できる。
他にも、光通信が展開する外国人労働者向けサービスと連携し、技能実習生や特定技能人材など、新たな需要層へ家具や家電が付いた物件を売り込む。
一方でレオパレス21はコア事業の賃貸事業へ経営リソースを集中させるため、継続的に赤字が続くシルバー事業を担う「アズ・ライフケア」と「アズ・レジデンス」の全株式を日本革新投資へ譲渡する基本合意も締結した。
今回の完全子会社化により、資金力と強力な営業網を持つ光通信グループの傘下に入ることで、レオパレス21は長年の危機対応モードから脱し、持続的な成長に向けて踏み出せることになる見通しだ。
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