HMAX for Buildingsの中核を担うのが、日立ビルシステムの管制センターだ。東京と大阪の2拠点で24時間365日体制の遠隔監視を行い、保守契約を結ぶ国内18万台以上のエレベーターやエスカレーター、空調設備などビル設備の稼働状況を監視している。
設備に異常を検知すると、管制センターで状況を確認した上で、必要に応じて全国約300カ所のサービス拠点と連携する。GPS情報を活用し、最寄りのフィールドエンジニアへ出動を指示することで、迅速な現地対応につなげている。エレベーターでの閉じ込めが発生した場合には、20分以内の救出を社内目標に掲げているという。東西2拠点運用とすることで、一方が災害などで停止した場合でも、もう一方がバックアップとして機能する体制を構築し、サービスの継続性を確保している。
利用者対応も管制センターの重要な役割となる。保全サービスの一環として、エレベーター内で閉じ込めが発生した際、かご内モニターを通じ、管制センターと利用者が会話をしながら遠隔救出する「ヘリオスレスキューeye」を提供。双方向で顔や状況が見えることで利用者の不安を軽減する。同時にフィールドエンジニアが緊急出動して、機器の確認、故障復旧を行う。
日立グループでは2030年度までに、ドローンによる昇降路自動点検やセンサーを利用した設備状態などの常時検知、AIによる故障復旧のミニマム化などを組み合わせた「AIロボットエレベーター」サービスの実現による点検/修理の自律化を目指している。
エレベーターのフィジカルAI化について、高橋氏は、「現在もエレベーターのかなりの部分をリアルタイムで把握できているが、人が現地へ行かなければ確認できないこともまだある。そうした部分をどう補っていくかが今後の課題になる」と展望を語った。
設備管理サービスについても、「保守だけでなく、ビル管理者側も人手不足が深刻になっている。複数の建物をまとめて管理できるようなサービスも考えていきたい。日立グループにはエレベーターだけでなく、空調をはじめとするさまざまなビル設備がある。それらをつなぎ合わせ、本当にユーザーに価値のあるサービスを実現していきたい」と意欲を示した。
日立グループは今後もHMAX for Buildingsを軸に、データとAIを活用した保守業務の効率化や設備運用の高度化を進め、ビル設備全体のオペレーション効率化や付加価値向上につながるデジタルサービスの強化を図っていく方針だ。
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