もう1つのハイブリッド機として展示していたのが、シリーズハイブリッド方式を採用したエンジン式ハイブリッドドローン「Hybrid Flyer(ハイブリッドフライヤー:HF)」だ。
シリーズハイブリッド方式は、エンジンで発電した電力をバッテリーに蓄え、その電力でモーターを駆動する方式だ。HFでは、主推力と姿勢制御のいずれもモーターで行う。エンジンはPHFと同じく、独自の無振動OTCエンジンを採用している。
石川エナジーリサーチによると、エンジン式は最新のバッテリーと比べても約30倍のエネルギー密度を持つという。エネルギー密度とは、同じ重さや体積の中にどれだけ多くのエネルギーを蓄えられるかを示す指標で、値が高いほど長時間の連続飛行で有利になる。一般的な電動式ドローンでは、機体の大型化や高出力化に伴い、バッテリー搭載量と飛行時間の両立が課題となる。対してHFは、エンジン発電を組み合わせることで、電動式の制御性を生かしながら長時間飛行を可能にする。
「HFは、ペイロード0キロの場合で2時間以上、最大ペイロードの5キロを搭載した状態でも90分の飛行が可能だ。広域点検や測量、災害調査、監視など、長時間飛行が求められるミッションに適したドローンだ」と担当者はPRした。HFも現在開発中で、2027年春の販売開始を目指している。
電動式の機体として紹介していた1機種が、「Build Flyer Chrome(ビルドフライヤークロム)」だ。国内で開発し、国内の自社工場で一貫生産することで、高い品質と信頼性を確保している。
動力源はリチウムポリマーバッテリーとし、最大ペイロード4.4キロを載せた状態でも約25分の連続飛行が可能だ。IP23相当の防水性能に加え、最大風速毎秒20メートルに耐える耐風性能を備える。雨天や一定の強風環境にも対応する産業用ドローンとして、空撮や測量、点検、維持管理をはじめ、災害時の運用も期待される。
もう1つの電動ドローンが、農業用ドローン「Agri Flyer FF(アグリフライヤーFF)」だ。「for Farmers――すべての農家にドローンを」をコンセプトに開発された機体で、アグリフライヤーシリーズの第3世代に当たる。
自動飛行ルート作成機能に加え、A点とB点を基準に直線飛行を支援するABモード、操縦を補助するアシストモードなどを備え、農薬散布に必要な性能と品質を確保した。操作性やメンテナンス性など、現場での使いやすさにも配慮している。さらに価格を抑えることで、農家が導入しやすい機体として提案している。
石川エナジーリサーチは、長時間飛行や重量物輸送に対応するハイブリッド機と、複数用途の電動機を並べることで、用途に応じた機体開発の幅を示した。
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