ブルーイノベーションは、Jアラートと連動し、発災1分以内にドローンが自動離陸する「BEPポート・防災システム」の本格運用を開始した。従来の津波特化型から洪水や土砂災害、森林火災など広域災害へ対応を拡大したサービスだ。また、台湾政府出資のAeroprobingと提携し、高性能機体とBEPを統合したソリューションをアジア全域にも展開する計画を打ち出した。
未曾有の自然災害が相次ぐ昨今、ドローンによる迅速な初動対応への期待がかつてないほど高まっている。ブルーイノベーションは、新たなブランドメッセージ「道なき空に、道をつくる」に刷新し、次世代の「BEPポート・防災システム」と台湾Aeroprobingとの戦略的パートナーシップを発表した。
パートナーシップ締結で、Jアラート(全国瞬時警報システム)との連動による完全自動の初動対応から、アジア市場を見据えた産業用ソリューションの展開まで、「空の社会インフラ化」が実現する。
ドローン専門展示会「Japan Drone 2026」(会期:2026年6月3〜5日、幕張メッセ)の開幕に合わせ、2026年6月3日に開催した発表会をレポートする。
ブルーイノベーションの「BEPポート・防災システム」が、広域災害対応モデルへと進化を遂げた。これまでのシステムは主に沿岸部での津波避難警報に特化していたが、新システムでは洪水、土砂災害、森林火災といった多様な災害にも対応する。
Jアラートと連動し、気象庁などから発信される緊急情報をクラウドシステム「BEP(Blue Earth Platform)」が受信すると、1分以内にドローンポートから機体が自動離陸する。
離陸後、ドローンは避難喚起、被災状況の確認、重要インフラの点検、さらには要救助者の捜索といった複数のミッションを連続して遂行する。“マルチミッション”完了後はポートへ自動帰還し、充電を経て次の任務へと向かう。そのため、災害対応のタイムロスを最小限に抑えられる。
防災システムでは、複数のドローンポートを同時に運用することも想定している。2拠点にポートを設置して連携して飛ばせば、約10キロにわたる沿岸部の全域をわずか7分で確認できる。
他にも、上空から被災状況を一望する「火の見やぐら飛行」、緊急輸送道路の被害を確認する「道路沿い飛行」、サーマルカメラによる夜間の捜索など、現場のニーズに即した機能を備えている。
2016年からブルーイノベーションと共同開発を続ける東京都立産業技術研究センターで、情報システム技術部 ロボット技術グループ グループ長を務める武田有志氏は、「災害現場では人員と時間が限られており、救助活動の優先順位を決定するために、刻々と変化する状況の迅速な情報把握が不可欠だ。人による確認が困難な危険区域や道路の寸断箇所で、防災システムは職員の安全確保と救助の迅速化に大きく寄与するだろう」と期待を寄せた。
産業技術研究センターは中小企業を技術面でサポートする公的な組織で、ブルーイノベーションとは2016年からドローンによる点検ソリューションの共同研究を進めている。
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