建設DXの推進を目的に建設テック企業が中心となり、2023年1月に発足した任意団体「建設DX研究所」。今回はローカスブルーが、建設業界で期待が高まる3Dデータ活用に着目し、なぜ現場で定着しにくいのか、そして今後どのような形で業務に組み込んでいくべきかを解説します。
建設業界では、人手不足や就業者の高齢化、2024年問題への対応、インフラ老朽化への備えなど、複数の構造的課題が同時に進行しています。限られた人員で、より多くの現場を安全かつ高品質に管理しなければならない局面に入り、従来のやり方だけでは対応しきれない場面が増えています。
その中で注目されているのが、現場を立体的かつ高精度に把握できる「3Dデータ」です。測量や出来形確認、施工管理、維持管理などにまたがって活用できるため、建設DXを支える基盤の一つとして期待が高まっています。単なる可視化技術ではなく、現場の状況を関係者間で共有し、判断を迅速化する情報基盤としての価値が大きくなっています。
一方で、3Dデータを取得していても、それが実務の中で十分に活用されていないケースは少なくありません。点群データを取得しても閲覧や一部確認にとどまり、「設計・施工・維持管理まで一気通貫で使われていない」、あるいは「扱える人材が限られ、結局は専門担当者に業務が集中してしまう」といった状態が、多くの現場で起きています。
本来、3Dデータは測量から維持管理までをつなぐ共通基盤になり得るものです。しかし現実には、データの有無よりも、「誰が、どの工程で、どのように使えるのか」といった環境が整っていないために、現場での定着が進みにくいのです。課題の本質は「3Dデータがあるか」ではなく、「現場の課題を的確に解決できているか」にあります。
実務への定着を妨げている要因は、大きく分けて3つあります。
第一の壁は、「導入コスト」と「投資判断」です。従来の点群処理や3D活用のツールは高額なため、中小規模の事業者にとっては、導入効果が見えにくいまま投資判断を迫られることが多々あります。
第二の壁は「スキル依存」です。高度な専門知識を前提にした運用では、一部の担当者しか扱えず、業務の属人化が進みます。これでは、せっかくデータを取得しても、組織全体の生産性向上にはつながりません。
第三の壁は「データ分断」です。測量、解析、帳票化、共有がバラバラの仕組みで動くと、変換や受け渡しの手間が増え、かえって現場負荷が高まります。結果として、3Dデータは部分的には使われたとしても、工程横断での活用には至りにくくなります。
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