アクティオは大本組と共同で、建造物の基礎や地下構造物の設置に用いるニューマチックケーソン工法で、掘削した土の排出を自動化するシステムを開発した。手動操作と比較して、サイクルタイムが約11%短縮するという。
アクティオは2026年4月14日、大本組と共同で、建設業界の労働力不足や技術承継の課題解決に向け、ニューマチックケーソン工法における掘削土の排土作業を自動化するシステムを開発したと発表した。実証実験では、手動操作と比較して、サイクルタイムが約11%短縮し、施工効率と安全性の向上を両立できることを確認した。
ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)は、橋梁(きょうりょう)や建造物の基礎や地下構造物、シールド発進/到達立坑の設置などに広く用いられている。Pneumaticは空気、caissonは函(はこ)を意味する。地上で構築した躯体(最下部に密閉された作業室)に圧縮空気を送り込み、地下水の侵入を防ぎながら掘削を進め、所定の深さまで設置する工法だ。
大深度や高水圧の条件下で、高い施工精度を確保できる一方、作業環境の過酷さが課題となっており、排土作業では排土クレーンによるバケットの揚重、マテリアルロック内の耐圧扉の開閉、さらには緻密な加減圧操作といった作業に、それぞれ熟練の専任操作員を配置する必要があった。
また、近年の建設業界では、技能者不足への対応や安全性の向上に加え、ICT/自動化技術の活用が重要な課題となっている。
こうした背景から、アクティオと大本組は、それぞれが培ってきたニューマチックケーソン施工技術と施工設備の自動化技術を融合し、排土設備の自動化の技術開発に取り組んできた。
排土設備自動化技術は、排土用クレーンとマテリアルロックに搭載した各種センサー(回転エンコーダー、ロードセル、位置計測カメラなど)により、クレーンのたわみやワイヤの伸縮、ケーソンの傾斜による「ズレ」をリアルタイムで計測/補正し、正確な搬入出を可能にした。
また、荷振れ防止インバーターを採用し、吊(つり)荷の振幅を約95%低減。マテリアルロック内の狭い許容範囲(中心±20センチ以内)へ、振れのないスムーズな自動停止や搬入を実現した。
バケットの揚重や扉の開閉、加減圧、排土装置による転倒排土までを一括制御する。ステップ間の移行を無駄なく行う「シームレス動作」で、手動運転以上の効率性を確保している。
フェイルセーフ機能では、通信障害時の自動弁遮断、誤排気防止のための排気時間上限設定など、ケーソン工法で最も重要な「函内圧力管理」の安全性を担保している。
実証実験の結果、自動運転は手動運転に比べてサイクルタイムのばらつきが小さく、安定した施工が可能であることが立証された。また、従来必要であったマテリアルロック操作員の常時配置が不要になり、吊荷との接触リスクも低減され、安全性が向上することも確認でできたという。
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