STUDIO55と竹中工務店は、関西大学キャンパスの改修工事で、最新の3D計測技術「3DGS」を活用して現場を3Dデータ化した。データの取得には歩き回るだけで3D点群モデルを生成できるSLAM式スキャナー、2D図面や設計3Dモデルとの統合にはBIMコラボレーションツール「Revizto」を用いた。古い図面に描かれた地下埋設管や現在の樹木の高さなどを可視化し、着工前に仮設計画などをシミュレーションした。
STUDIO55と竹中工務店は2026年3月23日、関西大学キャンパスの改修工事を対象に、最新3D計測技術「3DGS(3D Gaussian Splatting)」で現場をデジタルツイン化する実証実験を実施したと発表した。既存インフラや樹木情報を可視化し、改修工事に特有の不確実性の低減や現地調査の効率化を検証した。
今回の改修工事では、敷地内に建設年代の異なる5つの建物が混在し、インフラ(電気、ガス、水道、通信)の図面も年代ごとにバラバラだった。情報が統合されていないため、「図面はあるが、現在どこを通っているか確証が持てない」状態にあった。従来であれば図面上の配管が「現地のどの木の下を通るのか」「道路のどの位置にあるのか」を特定するために、何度も現場へ足を運び、メジャー計測と図面照合を繰り返す必要もあった。
また、複雑な地形の勾配(高低差)、空中の架線(電線)、樹木の枝ぶりなど、2D図面には表現されない情報が多く、重機計画や仮設計画の立案にも時間を要していた。
実証では、SLAM式ハンドヘルドスキャナーで現地を歩きながら点群データを取得し、センチ級の精度で現場を3Dモデル化した。STUDIO55が販売代理店となっているBIM統合ツール「Revizto」も採用し、現況の3Dスキャンデータ、過去の図面、新築の設計モデルを重ね合わせ、iPhoneやiPad、PCで直感的に確認できる環境を構築した。
各種データの統合で、これまで把握できなかった埋設インフラの物理的な位置関係が見える化された。古い図面に記載された配管が現地のどの位置を通っているかを迅速に確認し、試掘や位置出し作業の削減や事故リスクの低減につながった。また、改修工事で発生する樹木の伐採で、幹径(木の太さ)も点群データから木の断面を見ることで正確に把握でき、現況の切り株も明確に視認。一本ずつ計測する必要がなくなり、現地での測量作業が省略された。
さらに、図面には載っていない架線や樹木の高さなどもスキャンデータで鮮明に表示し、重機のアーム干渉や搬入車両の動線確認が可能になった。
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