コンクリ内部のハンディ探査機に新モデル 構造物60cm内部も“透視”メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2021(1/2 ページ)

KEYTECがインフラ構造物の点検用に販売しているハンディ型探査機器は、電磁波レーダでコンクリート内部に埋設された鉄筋や配管、配線などをモニターに表示する。これにより、掘削しても良いところと気を付けるべき箇所が施工前に確認できるようになる。新モデルでは、深度60センチまでに対応して、コンクリート内部の埋設物や空洞を検出し、機能を厳選したことで操作もシンプルとなっている。

» 2022年05月23日 10時19分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 KEYTEC(キーテック)は、「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2021」(会期:2021年11月24〜26日、東京ビッグサイト 青海展示棟)で、インフラなどのコンクリート構造物の内部にある鉄筋や配管などを認識可能なハンディタイプの内部探査器「ストラクチャスキャン」を披露した。新モデル「SIR-EZ LXT」は、高い性能を持ちながらシンプルな機能を厳選した仕様で、見やすい探査結果と現場での使いやすさを両立している。

図面と異なるインフラ改修工事前の状況把握に威力を発揮

 今回、KEYTECは複数の探査機器をブースに陳列した。なかでも、ハンディ型のコンクリート内部探査機器はブース前でデモを行い、多くの来場者の注目を集めた。

 日本では、かつての高度経済成長期に作られた橋梁(きょうりょう)やトンネル、高速道路などの社会インフラで老朽化が進んでおり、耐震補強や点検保守の市場も拡大している。

 インフラの改修や補強時に必要になるのが、そのインフラを構成するコンクリートの内部の把握だ。道路はもちろん、柱や梁(はり)、壁などの内部には、鉄筋の他に配管や各種の通信線などが埋設されていることがある。

 インフラに限らずだが、プラントなど、大規模な改修の時期を迎えるような物件では、図面が残っていないことも多い。仮に図面があっても、実際の構造物が図面通りではないことも珍しくない。そのため、掘削を伴うような工事の前には、現場の状況を確認することが重要になる。

 もし、プラント施設の改修工事でコンクリート内部の配管や電線などを損傷させると、復元までプラントの稼働が停止してしまう。そして、回復や補償に莫大な費用が発生することになる。

KEYTECのブース

他社製品を凌駕する高精度コスパに優れた現場の“標準機”

 今展でKEYTECが特に強調したのが、プラント改修工事などの際にコンクリート内部の状況をスピーディーに把握する機器だ。

 KEYTECは2006年の設立以降、地中やコンクリート内部の探査を手掛けてきた。現在では、この分野で7〜8割という圧倒的なシェアを持つ。当初は、地中の探査からビジネスをスタートさせ、そのノウハウを用いて小型化し、ハンディタイプでコンクリートの内部を探査できる機器を実現させた。

 ブース前のデモ環境では、ハンディ型の内部探査機がコンクリート中に埋まる鉄筋や配線管などを検出した。実演では、コンクリート塊の上を探査機が移動すると、コンクリート内部の状態が探査機の液晶モニターに表示。探査機はケーブル接続などが要らず、完全に独立して使用できるため、現場での使い勝手も良さそうにみえた。

KEYTECのブース前に用意されたデモ環境。鉄筋や電線管などが埋まっている
最新機種を含む、複数の探査機を展示。最新機種では約60センチの探査深度を実現
道路などの地下埋設物向けの探査機も紹介。最新型では、従来品に比べ探査深度が1.5倍になり、オプションでケーブル・埋設管(活電線)の判別ユニットも搭載可能

 ちなみに、探査機が多く使われる現場の1つとして、原子力発電所が想定される。原発は、東日本大震災以降、耐震補強や消防設備を備える決まりが設けられ、その後の工事でKEYTECの探査機が採用されている。原発施設は、コンクリートの壁が厚く、堅牢に作られており、内部に電線も入っているので、高性能の探査機が求められる。工事のスケジュールが差し迫ると、1つの現場で100台もの探査機が使用されることもあるという。

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