住宅・ビル・施設 Week 2019 特集
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» 2018年12月13日 07時00分 公開

住宅・ビル・施設Week 2018:小柳建設の建設向けMR、時間軸も加えた“4次元データ”共有で建設プロセス全体の可視化

新潟県に拠点を置く総合建設業・小柳建設は、「Microsoft HoloLens」を使った建設向けMR技術「Holostruction」の開発を進めている。「第3回 スマートビルディング EXPO」で、実演デモを通して、建設プロセス全体を可視化できる独自の新機能を披露した。

[石原忍,BUILT]

 小柳建設は「第3回 スマートビルディング EXPO」(「住宅・ビル・施設Week 2018」内、2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)で、MR(Mixed Reality)を活用したプロジェクト「Holostruction(ホロストラクション)」の実演デモを行った。

離れた場所にいても複数人で工事情報を共有

 小柳建設の建設向けMR技術Holostructionは、日本マイクロソフトとの協業プロジェクトによって開発された。現実の世界に3次元ホログラフィックを重ねて投影し、MRデバイスのMicrosoft HoloLensを装着することで、構造物の3次元モデルや遠隔地の建設現場の確認ができる。

 MR空間上では、図面や書類、写真なども表示でき、遠方にいる関係者でも最大5人まで同時に、同一空間を共有することができるのが他のMRに無い特長だ。離れた場所にいる参加者は、アバターとして表示され、動作や視点、音声までリアルタイムで認識可能なため、一緒の場所にいるのと同じように打ち合わせや共同作業が行える。

Holostructionのデモ
橋梁の3Dモデルを投影

 3Dモデルをはじめ、必要な工程表や書類などのデータは全てクラウドに格納。これらのデータをMR空間上に展開するため、拡大・縮小やページ送りも自在。3Dモデルも、MR上では100分の1サイズから実物大サイズまで、表示を変えられる。各データも複数ウィンドウを開けるため、協議や検査に必要なデータを見比べながら、現場状況や3Dモデルを検討することが可能だ

MR上で複数ウィンドウを開くことが可能

 新たな独自開発の機能としては、タイムスライダー機能がある。建設生産プロセスの調査・測量から設計、施工、検査、維持・管理までのデータを3Dで統合することで、時間軸も加えた4次元として、各プロセスの確認を過去にさかのぼって行える。そのため、改修や修繕工事の際に、通常では見えない壁面内の設備や埋設物などを事前に把握できるため、埋設管や建機の破損事故などを無くせる。

施工途中の3Dモデルを投影

 小柳建設 代表取締役社長・小柳卓蔵氏は、Holostructionの他にはない特徴について、「VRは一人で入り込むだけだが、このMR技術は離れた場所にいても、全員で情報を共有できることが最大のメリット。既にシアトル、東京、新潟での同時会議を実証済みだ。また、2Dの図面では頭の中のイメージが頼りだったが、MR空間上の目の前に出してしまえば間違いが起きず、“手戻り”を防げ、生産性の向上につながる。建機や人員配置などのシミュレーションも可能なため、安全性も保たれる。さらに、建設生産プロセス全工程を可視化することで、図面通りの工事が行われたかの透明性も担保できる」とメリットを語った。

 今後は、2019年内のアカウント発行を予定し、ユーザーの試用後に寄せられるであろうさまざまなニーズをフィードバックして、さらなる機能拡充を図っていくという。

小柳建設 代表取締役社長・小柳卓蔵氏

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