飛島建設はアクシスウェアと共同で、建設現場の生コンクリート打設時間をAIで自動的に記録/管理するシステムを開発した。
飛島建設は2026年3月30日、アクシスウェアと共同で、映像と音声を用いるマルチモーダルAIを活用し、建設現場の生コンクリート打設時間を自動的に記録/管理するシステムを開発したと発表した。
生コンクリート打設時にAIが自動でミキサー車を検出し、映像や音から打設の開始/終了のタイミングを自動判定。人的な負担を伴わずに正確な打設記録を行える。記録業務の自動化と打設進捗状況の遠隔管理化で確認管理者の負担を軽減し、効率的な現場運営につなげる。
新システムは、ミキサー車の運行を後方から確認できる位置にウェアラブルカメラを設置し、取得した映像と音声をクラウド上でAIが自動解析することで打設時間の自動記録と進捗状況を可視化する。
外部電源を必要とせず、モバイル通信が可能なエリアであればデータをリアルタイムでクラウドに送信できる。
ナンバープレート認識によりミキサー車を識別し、車両ごとの打設記録を自動管理。打設の判定には、映像解析に加えてミキサーの高速回転音も組み合わせたマルチモーダルAIを用いることで、打設開始/終了のタイミングを高精度に判定し、記録を自動更新する。
新システムは、生コンクリート打設時にカメラ映像によるリアルタイム検出を開始し、AIが1台目のミキサー車を映像から検出すると、映像ステータスの変化と高速回転音の変化を基に打込み開始時刻を記録する。その後も映像/音声情報からステータスを継続判定し、自動で更新する。2台目の車両を検出した際には、1台目が「打込中」であれば2台目を「待機中」とする。1台目が検出範囲外に移動したタイミングでAIが打設終了と判定し、打込終了時刻を記録するとともに、ステータスを「完了」に変更。2台目のステータスを「打込中」に切り替え、その時点を開始時刻として自動記録する。
記録したデータはリアルタイムで画面に表示され、遠隔地からでもPCやスマートフォンで進捗を確認できる。事前に打設計画を入力することで、計画と実績の差分をその場で把握でき、打設計画と出荷計画の最適化が可能だ。加えて、収集した打設記録はExcel形式で出力でき、帳票作成の手間の削減も見込む。AIの判断根拠となる映像/音声情報を確認できるため、判定の信頼性や説明性を確保できる。
新システムは、生コンクリートの出荷/輸送/打設に関する情報を一元管理する「it-Concrete」と連携可能。従来は荷卸開始/終了時刻を現場で手入力する必要があった。今回の連携により、新システムで取得した打込開始/終了時刻をit-Concreteに自動記録できるようになり、記録要員の作業工数削減と誤入力防止を図る。
飛島建設は、新システムの主要機能とit-Concrete連携機能の双方について、既に建設現場での安定稼働を確認した。今後は打設量が多く打設管理業務の効率化ニーズが高い現場での利用を積極的に進める他、it-Concrete利用現場での運用拡大も順次進める。自社利用にとどまらず、導入を検討する他企業へも転換する。
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