パナソニック アドバンストテクノロジーは、かんたん操作で広範囲を3Dデータ化できる3D空間スキャナーを発売した。レーザセンサーの弱点となっている振動による誤差は、センサー統合技術で補正し、不整地を歩いて移動しても歪みの少ない計測精度を確保した。取得したデータは、その場でリアルタイムに3D点群化されるため、測り直しなどが起きない。
パナソニック ホールディングスの関連会社で、社会インフラやモビリティー分野の先進技術を提供するパナソニック アドバンストテクノロジーは2026年2月24日、誰でも扱えるハンディ型3Dレーザースキャナー「@mapper(アットマッパー)」を発売した。
@mapperは、自律移動ロボット開発で培ったSLAM技術を活用し、専門知識がなくてもブレや歪みの少ない高精度3Dスキャンを可能にする次世代3Dスキャンデバイスだ。SLAMは、Simultaneous Localization and Mappingの略で、センサー情報を用い、機械やロボットが「自分の現在位置を推定しながら、同時に周囲の地図を作成する」技術を指す。
振動に強く初心者でも安定したスキャン結果が得られ、測量や3D点群の専門知識を必要としない。従来の据え置き型スキャナーのように、設置作業や複雑な設定なしで3Dスキャンが可能になる。
レーザーの最大到達距離は60メートル。設置位置を変えながら何度も測定する従来方式と異なり、歩いて移動するだけで広範囲をスキャンできる。そのため、高層ビルや大規模工場などでも短時間で計測が終わる。
取得したデータは、後処理は不要で、リアルタイムに3D点群化されるため、その場でUSBメモリに保存して取り出せる。現地で3D計測が完結するため、再訪や追加計測の手間が生じない。
商品化に先立ち試作機を現場で使用したユーザーからは、「はじめてでも使えた」「メジャーや測距計を使うより測定が簡単」「後から距離が測定できるので、測り忘れがないのは安心」といった好意的な意見が挙がったという。
@mapperで取得したデータは、BIM、VR、デジタルツイン構築などへも応用可能で、既存設備や建物の改修で図面がない、または現況と一致していないケース以外にも、工場/プラント/大型施設などの広範囲や短時間で現地測量が必要な場合など、現場の3Dデータ化ツールとして役立つ。他にも、室内外を問わずスキャンが可能で、特にGNSSが使えない環境での3D計測に有用性を発揮する。
近年、建設や設備の現場では、BIMやVR、デジタルツイン活用を目的に、既存設備や建物を短時間で3Dデータ化したいというニーズが高まっている。
一方、従来の設置型3Dスキャナーは、計測に時間が掛かり、操作にも専門知識が必要なため、現場で手軽に扱える機器は限られていた。
パナソニック アドバンストテクノロジーは、自律移動ロボットの開発で培った独自のSLAM技術と組み込み開発ノウハウを融合し、低消費電力でありながら、リアルタイム処理と高精度な3Dスキャンを両立させた。その技術を結実させた製品が、歩きながら計測できる@mapperだ。
特に、レーザセンサーの弱点となる振動による誤差は、センサー統合技術(LIO:LiDAR Inertial Odometry)で補正することで、移動中でも安定した計測精度を確保した。そのため、初心者でも安心して使用できるスキャン品質を実現した。
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